人生ノート53~参議院選挙6~
みどりの風は、比例代表に福島県の前双葉町長の井戸川克隆さんを擁立しました。3・11のあと政府や東電の姿勢を厳しく追及し脱原発の顔の一人でした。
井戸川さんも私も町長出身ですのでダブル町長で脱原発を訴えていこうとしました。横浜駅や川崎駅で街頭に立ちました。反応は余りありませんでした。
井戸川さんの演説の中身は執念がこもっていました。「私は地獄を見た。」と再三訴えていました。ふるさとを捨てていち早く町民を避難させました。
避難の途中で井戸川さんご自身もかなり被爆をされました。暑いさなかの選挙戦です。炎天下街頭に立つとすぐに疲れが出るとこぼしていました。
井戸川さんの演説で強く印象に残っているのは、福島の子供たちのことです。女子中学生や高校生の間で放射能の不安が広がっています。
「私は結婚できないかもしれない。子供が産めないかもしれない。」、こんな話をしているというのです。驚きました。
避難所で暮らしている福島の子供たちは、学校でいじめにあうことがあると言われました。でも、我慢しているというのです。
両親も辛い目にあっているのでこれ以上心配をかけてはいけないので両親に言わないというのです。胸が痛まずにはいられませんでした。
井戸川さんは福島の放射能汚染の実態をあからさまに訴えます。食物を食べてはいけない水を飲んでは危ないと率直に言われます。
風評被害を嫌いふるさとへの帰還を夢見ている人たちからは反発が出ます。しかし、井戸川さんは全く意に介することがありません。
井戸川さんと一緒に選挙運動をして自分がもし同じ立場であったらどんな振る舞いをしただろうかと自問自答せざるを得ませんでした。
井戸川さんのように言い切ることができただろうか疑問です。国の判断を待ってとか町民の意向を汲みながらと判断を先送りしたかもしれません。
政府や東電に激しく抵抗する井戸川さんは議会の反発を呼び町長辞職に追い込まれました。参議院選挙も落選しました。井戸川さんの抵抗はまだ実を結んでいません。