人新世時代のまちづくり8 ~教育目標の転換~

人新世時代は地球の存続自体が人類共通のテーマとなります。教育目標も転換せざるを得ません。

いくら偏差値が高くても地球が存続していなければその能力を発揮することはできません。

最も大切なことは地球の危機に立ち向かうマインドをいかに養成するかということになります。

現行の日本の教育が人類の危機に立ち向かう人材を輩出する方向に向かっているとは思いません。

大学で学生たちにまちづくりを講義していて挑戦意欲が乏しいのではという心配があります。

多くの学生はまじめでおとなし過ぎるのです。この印象は年々強まっています。

コロナ禍で対面講義が制限された影響で内向きな学生がさらに増えてしまわないか心配です。

国を挙げて教育方針を転換するのは大変時間がかかります。文部科学省は保守的です。

経済界はデジタル革命やグリーン革命に対応できる人財の育成に躍起となっています。

しかし目的は企業の利潤の確保で地球の持続といった大きな目標とはかい離があります。

地方自治体の出番です。先駆的自治体が人新世時代を踏まえ教育方針を大胆に転換することです。

教育現場を持ち直接住民とかかわりを持っている地方自治体は教育改革の最前線となりえます。

地球の存続という超難問に立ち向かうのですから挑戦者魂を養わなくてはなりません。

難問解決に努力している実践者との触れ合いがいちばんです。小学校から実施すべきです。

難問解決のためには何を身に着けなければならないのか子供は直観で理解するはずです。

語学であったり福祉現場で高齢者と語り合える共感力であったりするはずです。

科学者希望なら最先端の科学の存在意義も感性豊かな子供たちの胸に刻まれるはずです。

実践者との交流の場を設ける時間、総合的学習の時間を再強化すべきだと思います。

我こそはと思う自治体は人新世時代の教育へ大胆に踏み出して欲しいです。

アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲さんのような人材が輩出する国が世界から尊敬されます。

発展途上国への支援の現場で働いた体験者の話しは机上の空論ではなく説得力が違うはずです。

国内外の格差や差別や貧困の現場で悪戦苦闘しながら成果を挙げている実践者はあまたいます。

そうした方々の語りを通じ日本や世界で何が問題になっているのか子供たちは知ることでしょう。

困難に立ち向かっている挑戦するマインドが子供たちへと引き継がれるはずです。

地球の持続のためには困難に挑戦するマインドが持続され挑戦者が輩出されなければなりません。

挑戦者たちの人財輩出拠点となることが人新世時代における日本の教育の最大の目標です。