ウクライナ国民の受難の時が始まる。

力の信奉者のプーチン大統領を止めるものはいません。ひとり荒野を行く状況です。

ウクライナが頼りとしていたアメリカは軍事介入はしません。独自の抵抗には限界があります。

プーチン大統領の思惑通りウクライナ全土を事実上支配下に置くことが現実となりそうです。

ソビエト時代の復活とまでは行かなくてもそれに近い状況にまで持ち込もうとすると思います。

1939年9月ナチスドイツのポーランド侵攻によって第2次世界大戦の火ぶたが切られました。

ナチスドイツは機動部隊を使った電撃的侵攻で次々と領土を拡大していきました。

これに立ちはだかったのはスターリンのソビエトとチャーチルのイギリスでした。

今回の武力行使はナチスに攻められたソビエト連邦の中心国であるロシアが起こしました。

ナチスより強力です。ロシアは強大な軍事力だけでなく広大な領土と食料とエネルギーの保有国だからです。

経済制裁に対抗し食料とエネルギーを締めあげれば困るのは先進諸国の方です。

食料とエネルギーが余りそうならば急接近している中国に輸出すれば影響を軽減できます。

軍事力行使を厭わない乱暴者を止める手立ては短期的にはあるようでないと思います。

口を極めて罵ったところで痛くもかゆくもないでしょう。言葉が虚しく響きます。

アメリカを頼りすがっていたウクライナは哀れです。親ロシア派支配が忍び寄ります。

プーチン大統領は途中で手綱を緩めるとは考えられません。目的を達するまでやるでしょう。

親ロシア政権樹立まで圧力をかけ続けることになると思います。1968年のチェコスロバキアへの介入と一緒です。

ウクライナ国民にとって受難の時です。チェコが解放されたのはベルリンの壁が崩れて以降です。20年かかりました。

中国という国の存在が物事を厄介にしています。中国が間に入れば経済は何とかしのげるからです。

経済制裁の効果が出ないからです。強権国家にとっては願ったりかなったりでしょう。

アメリカなど西側民主主義国家から制裁を受けても最低限の国民生活を維持できるのは心強いです。

アメリカの存在感を損ねる根っこに中国がいます。アメリカに歯向かう時は中国が後ろ盾になるからです。

ウクライナから国外に出た人々は止む得ず本国に戻る選択を強いられると思います。

プーチン大統領が放った一撃の影響力は大きくアメリカなど西側民主主義国の根幹を揺るがそうとしています。

日本はG7と共同歩調を取って対応と繰り返していますが問題が解決することはないでしょう。

自国の安全と暮らしの安定をどう守るかの基本戦略を振り出しに戻って考えざるを得ません。