危機の時代の日本外交

アメリカのポチにならない、中国の食い物にならない、ロシアにだまされない。

かつての政界の暴れん坊の亀井静香さんが唱える日本外交の「3ない指針」です。

ロシアがウクライナへ侵略戦争を仕掛けたことによりその価値がいっそう増してます。

亀井さんは外交の専門家でもなんでもなくらつ腕政治家です。こざかしい理屈ではなく核心をつきます。

外交に限らず専門家は評論家的物言いで具体的に何をすべきかはっきりしないこと多いです。

亀井さんは真逆です。言葉は多少乱暴でも何をすべきか明確であいまいさがありません。

危機の時代にはわかりやすいメッセージが必要です。本物の政治家ならば直言を怖れてはなりません。

昨日の朝NHK の日曜討論に林芳正外務大臣が出演していました。慎重な物言いで明確さに欠けました。

力による現状変更を許してはいけないと言いつつなぜそうなのか信条というか気概を感じ取れません。

ロシアの侵略は自由と民主主義に対する挑戦であるとするならば過激な物言いがあってしかるべきです。

何を聞かれても冒頭に「そうですね」と合いの手を入れて受け身の姿勢を取りつつ答えていました。

ポスト岸田の最有力候補と言われる保守本流の政治家と称される割に骨太さが感じられません。

危機の時代に相応しい宰相なのかどうか今のままではいずれ疑問がつき脱落してしまいます。

限界すれすれの過激さでロシアを非難せずしていったいいつロシアを非難できるというのでしょうか。

北方領土交渉を含めてロシアとの関係は仕切り直しです。その覚悟が見えなかったのは残念です。

番組の冒頭、北朝鮮からミサイルが発射された模様と速報が流れました。林外務大臣は番組に出続けました。

慌てふためいて席を後にしろとまではいいませんが番組の最後までいる必要はないと思います。

途中で退席するかあるいは中座して短時間でも秘書官と協議するかそうした場面があって当然です。

林外務大臣も平時に強い政治家で亀井さんのように有事に暴れられる政治家ではないのかもしれません。

岸田政権の発足に伴い林外務大臣の登場に期待していましたが現段階では期待外れです。

ロシアという傍若無人の暴れ者が牙をむいたことは国際政治が激変の時代に突入したことを知らせました。

平時ではなく有事に入ったのです。これまでの前提条件は崩れ日本自ら確固たる指針を見つけ出さなくてはなりません。

総理や外務大臣、防衛大臣は、危機の時代に直面している時代認識と胆力を持たなければなりません。

同時にわかりやすい指針を国民に提示し共通理解とする努力が最優先課題となりました。

 

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