神奈川県議会の選挙区見直し論議に一言
神奈川県は人口が大都市に集中してます。県人口906万人横浜市377万人川崎市154万人。
民主主義の基本は選挙です。そして公職選挙法は人口を基本に位置づけて定数を配分します。
議員一人当たりの人口は完全に平等ということではなくいわゆる一票の格差を容認しています。
神奈川県議会においても公職選挙法に基づき平均値の2倍以内です。人口減少地帯には高いハードルです。
2019年4月の県議会選挙で私が住んでいる地域は人口減少のため強制的に合区となりました。
南足柄市と隣接する足柄上地区5町がひとつの選挙区となり定数は1減となりました。
南足柄市と足柄上郡5町は歴史的に見てつながりが深く広域行政においても積み重ねがあるためとされました。
横浜、川崎といった政令指定都市は県とほぼ同等の権限があり県の役割は小さいですが人口が多いので定数増です。
私の住むような地域は県と緊密な連携をとって行政を遂行することは必須なのに定数減です。
単純に人口のみを基準に定数配分することは合理的に見えて不合理が内在してます。
抜本的な改革案を論議する時期です。政令市と一般市町村を同じ基準に当てはめるのは無理があります。
人口基準を単純に当てはめる選挙区見直しは結論が出るまで棚上げにすべきです。
しかし神奈川県議会は来年の統一地方選挙に向けてこれまでの基準に沿い見直し論議を進めています。
わが地域では今度は箱根湯河原真鶴の国内有数の観光地が選挙区の足柄下郡が対象となっています。
人口は4万1千人あまり、議員一人当たりの人口の平均は8万8千人ですので2倍を下回ってます。
今度も強制合区論議が進んでます。驚くべき案が聞こえてきました。南足柄市と合区するというのです。
足柄下郡と南足柄市は同じ足柄という名称はついているものの地縁的関係は乏しいです。
しかも南足柄市は前回の選挙で足柄上郡と合区させられたばかりなのに今度は引きはがしです。
県西地域の定数減は避けたいので無理やり下郡を南足柄市と合区させて定数1を守ろうとの判断だと思います。
無理があります。箱根外輪山で隔てられて地理的には隔絶した地域を一緒にするのは禍根を残します。
どうしても合区というのであれば地理的に近く関係も深い小田原市と合併するのが順当です。
問題は定数です。前回県西地域は5議席から4議席に減ったのです。さらに減らすのは酷です。
特例措置として下郡分の定数1は確保して小田原市と合区で定数3という修正ならば辛うじて納得がいきます。
本来ならばこうした無理のある選挙区割りの見直しは止めるべきです。抜本改革論議にこそ力を注いで欲しいです。