バイデン大統領の遠吠え演説
アメリカのバイデン大統領が一般教書演説を行いました。「ステイツオブユニオンアドレス」が英語です。
NHKBSで解説の大学教授が「国民統合のための演説」という意味もあると述べてました。
アメリカ国民がひとつになって前進することを大統領が議場を通じて国民に呼びかけるということです。
今年の演説は国民へ一致結束を求める緊急課題がありました。ロシアによるウクライナ侵攻です。
自由と民主主義はアメリカの国家理念を象徴します。その大義を踏みにじったロシアへの反撃が注目されました。
冒頭部分はウクライナ侵攻に費やされました。ウクライナ大統領や国民の抵抗が世界を触発していると語りました。
母国を守る不屈の精神を賞賛しました。途中で議場に招いたウクライナの駐米大使を紹介しました。
ウクライナの闘いが厳しいものになることに言及しました。長期的には高い代償を払うことになると述べました。
1時間の演説のうちの13分がウクライナ侵攻に関する発言だったとメディアは伝えています。
西側諸国の団結でロシアを追い詰める決意を語るものの経済制裁以外に妙手はありません。
ウクライナ危機に関してアメリカは武力行使の選択肢は最初から放棄しています。
ウクライナの国民への連帯を言葉で語っても目前の厳しい現実を打開するものではありません。
私には遠くから朗々と響く遠吠えに聞こえました。精神論であって直接の力にはなりません。
経済制裁と言えば聞こえがいいですが跳ね返りを怖れながらの制裁ですので効果は限定的です。
すでにブログで述べたところですが貧乏はロシア国民の方が慣れていますので耐性はあります。
西側の豊かな暮らしが当たり前と思っている国々の方がちょっとした生活水準の低下に敏感です。
我慢比べになればロシアの方が強じんだと思えてなりません。経済制裁の効果は限定的です。
本気でやるとなればエネルギー不足にも物価上昇にも耐える覚悟が不可欠です。
軍事力でウクライナには介入することなしに自由と民主主義を守るためには痛みの甘受は致し方ありません。
バイデン大統領も認めているように長い闘いです。我慢し続けられるか問われるのは西側諸国です。
バイデン大統領の武力介入せずの弱腰姿勢がプーチン大統領の侵攻を招いたと思えてなりません。
いちばんの犠牲者はウクライナの一般国民です。やるせない気持ちが募ります。
アメリカの軍事力に依存している国々は内心アメリカのあまりの脆弱さに危惧の念を強めているはずです。
アメリカへの幻想を取り払わなければなりません。日本独自の安全保障戦略の構築が緊急課題となりました。