プーチン大統領の暴虐をなぜ止められないのか
ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まってから2週間余りが経過し首都キエフにロシア軍が迫ってます。
報道によればプーチン大統領は電撃作戦でゼレンスキー政権を早期に打倒できると踏んでいたとされます。
ウクライナ軍の抵抗が予想以上に強じんで手を焼いているとの報道が目立ちます。
しかし一方でプーチン大統領が攻撃を中止するそぶりはみじんも感じられないと伝えられます。
プーチン大統領は大ロシア主義者だと言われます。ソビエト帝国の独裁者スターリンの系譜に連なります。
スターリンは帝政ロシアの伝統と誇りの強烈な持ち主であったことは間違いないところです。
第二次世界大戦後の世界の構図を決めるヤルタ会談でスターリンはなんと日露戦争を持ち出しました。
明治の帝国日本に敗れ領土を奪われたことに強烈な敵がい心を持ち北方4島を奪い取りました。
ウクライナは第二次世界大戦の時ナチスドイツの電撃作戦を受けて多大なる被害を受けた地域です。
歴史家の大木毅さんの名著『独ソ戦』によればソビエトはナチスとの戦闘で1128万人余りの戦死者を出しています。
壮絶な戦闘の末にナチスを押し返し東ヨーロッパ地域を開放へと導いた強固な自負があります。
血を流して守ったウクライナの命運を欧米側に委ねることは断じて許さないと思っているはずです。
『地図で見るロシアハンドブック』という便利な本があります。地図でロシアを取り巻く国際情勢が見て取れます。
2021年の改訂版を見ると欧米の軍事同盟のNATOによる東ヨーロッパ拡大が緊張を招いていると見ています。
ロシアの安全保障の核心となる地域に欧米が進出するならば軍事で対抗するというのは既定路線だとしています。
その証が2014年のクリミアへの軍事侵攻と併合だとしていてロシア側のメッセージはすでに発信済みとなります。
この状況でNATO側がウクライナへの関与を強めたならば危険な状況を招くと予測しています。
現実は残念ながら予測通りとなってしまいました。軍事侵攻の背景はプーチン大統領の思惑だけではありません。
アメリカはロシアとウクライナの戦争を願っていてこれを機にロシア潰しを仕掛けているとの極端な見方もあります。
どんな思惑が交錯しようとも悲劇を被るのはウクライナの一般国民です。特に弱者です。
ウクライナ各地に戦火が広がり逃げ場を失った国民が犠牲になることを思うと胸が張り裂ける思いです。
アメリカは武力で対抗する覚悟はないので止める力にはなりません。袋小路にはまっています。
ゼレンスキー大統領がウクライナの名誉を守れると判断できるラインで決断するしか戦争を止めるすべがないです。