西村京太郎さんの死に思う
いささか旧聞に属しますが人気ミステリー作家の西村京太郎さんが死亡しました。
湯河原町在住でしたのでほのかになじみがあります。ご冥福をお祈りいたします。
西村さんと言うと思い出があります。私が町長在職中に湯河原町の当時の町長が語っていたエピソードです。
ここ2年は新型コロナのため無理ですが新年にパーティー形式で町主催の賀詞交換を行うのが慣例でした。
当時の町長が西村さんは新年の賀詞交換に顔を出してくれるだけでなくご祝儀も持ってきてくれると言ってました。
金額が半端ではなく福沢諭吉さんのお札が3ケタになる額なのでご祝儀袋に入らないとのことでした。
それはうらやましい限りと応じた記憶があります。このエピソードはまちづくりの重要なヒントを与えてくれます。
西村京太郎さんが湯河原町に住んで住民票を持っていてくれるだけで個人住民税の額も半端ではないということです。
西村さんが亡くなられたということはそれなりの額の個人住民税の減収が生じることになります。
逆に言えば西村さんのような超高額所得者に住んでもらえることは市町村財政にとってはありがたいことです。
人間を企業に例えては恐縮ですが企業誘致よりはるかに効率的な税収確保の要因です。
この方策の利点は道路を造ったり橋を架けたり大掛かりな基盤整備事業が要らないことです。
それどころか超高額所得者は自然破壊を好まず景観が保たれていることを求める傾向が強いです。
極論ですがひと山まるごと確保してヘリポートも持つような大富豪に住んでもらえれば超一流企業と同じです。
冗談を言っているのではなく真剣な話です。風光明媚で気候温暖な地域はこのまちづくり手法を考えるべきです。
日本人に限りません、住民票の登録者で一定額の収入があれば県と市町村で一定率徴収します。
世界の大富豪は免税の地域を求めて住む事例が多いので難しいかもしれませんが可能性はゼロではありません。
その地域に愛着を感じその地域に貢献したいという大富豪がいれば一番望ましいです。
湯河原町を選んだ西村京太郎さんは典型的事例です。西村さんのような方は必ずいられるはずです。
金持ち優遇をしようとしていると誤解されている人がいればそうれは大間違いです。
大富豪から税金を頂戴しそのお金を教育や福祉に活用するのは立派な所得再配分で政治の役割です。
税収確保というと企業誘致に目が行きがちですが先入観は取り払ったほうが良いです。
大富豪が好むような立地条件に恵まれている地域は大富豪の”誘致”に大いに知恵を絞るべきです。
こうしたまちづくり事業こそ首長自ら展開するトップセールスの対象となります。