見識あるご意見番の不在を嘆く
20日付の読売新聞の一面に元老的存在の政治家不在の記事が掲載されていました。私は元老は要らないと思います。
二重権力的存在になってしまいます。極端なケースは田中角栄元総理の立ち位置です。
100人を上回る大派閥、田中派の領袖の座を手放さず権力を繰り闇将軍と呼ばれました。
安倍元総理も自民党内で最大勢力を誇る派閥の領袖に戻ったので田中角さんの流儀に倣っています。
安倍さんの次に短期間総理を務めた菅前総理も派閥化を目論んでうごめいていいるとされます。
元総理として振る舞うべき方向性を見失った行動だと思います。見識が感じ取れません。
ウクライナへのロシアの軍事侵攻により日本を取り巻く国際情勢は激変時代を迎えました。
日米同盟の一本足打法では日本の安全を担保できないのではないかとの不安感が広がってます。
新型コロナや少子高齢化・人口減少、地球温暖化に大災害の多発など超難問山積です。
こうした時代に政治の世界で求められるのは大所高所からあるべき論点を提示する真のご意見番です。
一党一派に偏することなく大局の立場に立ち物申すベテラン政治家が求められているのです。
安倍さんや菅さんは権力を行使することに執着せずにご意見番に徹し存在感を発揮して欲しいです。
安倍さんならば台湾とのより強固な関係の構築、菅さんならば新時代の国と地方の体制構築といった具合です。
神奈川県政界も中央政界と同様、ご意見番が不在です。大所高所からのまとめ役不在です。
かつては自民党神奈川県連の幹事長や会長を務めた梅沢健治さんのような方がいました。
梅沢さんが存命ならば郡部の定数をただ減らせばよいなどという安直な選挙区割りはしないはずです。
政治家が小粒になると官僚と似てルールに縛られてしまい政治家が本来果たすべき勇断ができません。
神奈川県議会には有力な長老県議が何人もいるにもかかわらず梅沢さんのような存在感が発揮できてません。
私利私欲というか自らの権勢を維持することに汲々としているからでしょう。これでは存在意義がありません。
神奈川県と横浜市などの政令指定都市3市の間がぎくしゃくしています。見識のある長老県議の出番です。
梅沢さんだったら黒岩知事を一喝しけつの穴の小さいことを言わずに堂々と議論しろと叱咤したはずです。
広域自治体の県の方が自らの権限は断じて譲れないと壁を作ってしまってはそもそも話し合いになりません。
神奈川県は、大都市と一般市町村の格差が拡大してます。県と大都市との腹を割った協議は不可欠です。
権限を守るとか守らないとかの了見の狭い議論は二の次三の次です。長老県議は今こそ見識を見せる時です。