平和は女の顔をしている
ロシア国営第一テレビの看板ニュース番組中に反戦プラカードを掲げた女性ディレクターについて改めて書きます。
マリーナ・オフシャンニコワさんは逮捕されひょっとしたら死刑になるかもしれないと覚悟したはずです。
「ロシアにも戦争に反対する人がひることを西側の人にも知ってもらいたかった。」と語ってます。
勇気の方が恐怖に勝ったのです。ところで日本のマスコミはなぜ直接のインタビューが流れないのでしょうか。
国営放送ではありませんが公共放送のNHKはどうなっているのでしょうかと首を傾げます。
専門家の評論ばかりを流していて直接の当事者への突撃取材が決定的に不足しています。
マリーナさんはもとよりゼレンスキー、プーチンの両大統領への突撃インタビューに挑戦すべきです。
元NHK記者ですので古巣の取材の甘さが気になって仕方ありません。たるんでます。
話しを元に戻します。ロシア人女性の胆力についてが話題でした。ふとある言葉が脳裏をよぎりました。
「戦争は女の顔をしていない」という言葉です。ベラルーシの女性ジャーナリストが書いた本のタイトルです。
スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチさんです。2015年にノーベル文学賞を受賞しました。
ロシアなど旧ソビエトに所属する各国は第2次世界大戦で壮絶極まりない戦争体験をしました。
軍関係者だけで1200万人近い犠牲者を出しています。民間人を含めれば2700万人といわれます。
ナチスドイツの侵略に対し女性の志願兵も多数参戦しました。スヴェトラーナさんは志願兵から聞き取りをしました。
500人といわれますので徹底した調査です。生々しい証言をもとに記録を一冊の本にまとめました。
そのタイトルが「戦争は女の顔をしていない」です。女性性と戦争は相容れないという意味が込められてます。
女性志願兵の闘いはすさまじいです。狙撃兵となってドイツ軍兵士を撃ち抜いた兵士もいます。
生理は止まり女性であることを一時期忘れるような戦いでした。捕虜になった場合は悲惨です。
スターリンは日本軍と同様捕虜となることを戒めていましたので仮に無事帰還しても差別と偏見にさらされました。
女性志願兵たちはそうした戦中戦後を生き延びました。歴史の激動を耐え胆力は鍛えられました。
国営第一テレビの女性ディレクターにはこうしたロシア人女性の魂が宿っているように思えたのです。
今度の闘いは祖国のために銃を持つことではなく独裁者プーチンに対し銃を捨てろと叫ぶことでした。
スヴェトラーナさんの言葉にあやかれば「平和は女の顔をしている」からが闘いの理由となります。