忍び寄る立憲民主党分裂の危機

先月立憲民主党の世論調査の支持率が伸びないことを引用し存続の危機にあると書きました。

大げさだと思われた方もいられたと思います。しかし事態はより一層深刻化しています。

ウクライナへのロシアの軍事侵攻は日本の野党第一党をも危機に落とし入れています。

立民党のルーツのひとつは旧社会党です。旧ソビエトは旧社会党にとって理想国だった時期もあります。

独裁者プーチン大統領のウクライナへの暴虐は旧ソビエト時代の悪夢を甦らせます。

立民党がロシアを叩くことは隠しておきたい遠い過去のすねの傷をさらしてしまう側面があります。

立民党は護憲イデオロギーをひとつの潮流として保持してます。ウクライナ危機は護憲の立場を危うくします。

平和憲法堅持を唱えるだけで日本の安全を守れるのかという現実的な疑問が国民の間に生じたからです。

自民党が保守本流の岸田政権に代わったことも立民党の危機を加速させる要因です。

岸田政権は穏健で堅実なスタイルでタカ派色をむき出しにした安倍政権とは肌合いが異なります。

政府・自民党との対立の図式を明確に示しにくく立民党の独自色が出せません。

労働組合の連合を支持母体に持つ国民民主党は明確に自民党への接近路線を採用しました。

立民党はどのような立ち位置を取るのか明確化が迫られています。共産党との距離感です。

国民民主が立ち位置を旗幟鮮明にした以上立民があいまい戦略をとる余地はありません。

共産党と共闘路線をとるのかそれとも捨てるかです。難しい二者択一をしなければなりません。

立民党は政党としての存在意義が問われる事態になっていることを自覚すべきなのに危機意識が感じ取れません。

国地方を問わず立民党の議員は野党のままでいることに安住しているように見えます。

立民党の気概の乏しさは幸運に恵まれ党が誕生した立党の経緯と関係していると思います。

2017年10月の総選挙で希望の党を率いた小池都知事の暴言から立民党は生まれました。

排除しますのひとことが立民党結党への追い風となりました。地道な努力を積み上げた結果ではありません。

危機に際し立民党内から捨て身の行動をとる政治家が出ない背景にはこうした歴史があると思います。

現状は夏の参議院選挙が立民党として戦う最後の選挙になる可能性が高まっていると思います。

立民党の退潮は間違いないところですので選挙後党は分裂含みだと推測するからです。

政権に近づき政策実現を目指す勢力が国民民主との合流を模索することもあり得ます。

立民党の最期の時は近づいていると私は見てます。最終判断は夏の参議院選挙で有権者が下します。

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