本音で考える防災
横浜市栄区選出の市議会議員輿石かつこさんは毎月11日に重要課題をテーマに勉強会を開催してます。
新型コロナの感染拡大を受けて集会方式からオンラインに切り替えて継続中です。
3月11日と4月11日は防災がテーマでした。2回とも私も参加させてもらいました。
輿石さんは積極果敢で筋を通す胆力の持ち主です。輿石さんの好みを象徴するようなゲストが登場しました。
群馬大学大学院教授の金井昌信さんです。およそ大学の先生とは思えない歯に衣着せぬ論客でした。
ひとことで言えば全身本音人間です。回りくどい言い回しはしません。ズバリと本質に切り込みます。
3月11日は東日本大震災から11年目の節目の日でした。当然この大災害が話題になりました。
金井さんは地震が発生してから津波が来るまで30分、時間の猶予があったことに言及しました。
この30分はいささかタブー視されてしまう問題です。しかし極めて重要な視点です。
あの30分間に何ができたのか何をしなかったのかをきちんと検証することが重要だと問題提起していました。
多大な被害を受けてしまった被災者の至らなかった点に触れるのは誰しも気が重いです。
地震発生とともに全員が一斉に高い場所を目指して逃げていたら人的被害は減少したに違いありません。
なぜできなかったのか、どうすればできるのか冷徹に見極めてこそ今後に活きるという考え方です。
2回目の今月11日の会では大雨が降り避難所への避難者が殺到したらどうするか参加者にたずねました。
避難者を受け入れると別の避難所に移動してもらうという答えがそれぞれ半分ずつでした。
金井さんの助言は長期にわたる避難ではないのでぎゅうぎゅう詰めになっても受け入れるのが望ましいでした。
土砂降りで夜間に別の避難所に移ることの方がはるかに危険であるという現実的な判断でした。
避難所の定員を超えるとの理由で受け入れを拒否するのは石頭行政の最たるものです。
金井さんの発想は全て一事が万事本音で災害を捉え対策を考えることに徹していました。
私は金井さんの考え方に大賛成です。真夜中に避難指示なんて出しても対応できません。
乗用車を使わなければ避難できない地域の住民に徒歩で避難などという机上の空論を言ったところで無理です。
命を守ることが最優先です。その上で現実的に可能かどうかに目を向けることが大切です。
金井さんの視点でひとりひとりがイメージトレーニングすることは効果的だと思います。
判断を他人任せにするのではなく自分の命は自分で守るを何より最初の原則とすることが大切です。