うごめき出した反岸田勢力への対応

昔から自民党総務会は反主流派の牙城でした。時の政権に批判的勢力は総務会に陣取ります。

岸田政権下でもどうやら同様の流れができています。参議院山形選挙区で自民の擁立見送りが議論となりました。

森山前国会対策委員長が筋論からして異論を唱えました。自民党を弱体化させるというのです。

1人区で自民党が擁立を見送ることなれば同じ構図の他の選挙区に影響が出るのは必至だと責めました。

全く持って正論です。岸田執行部はそれを承知の上で擁立見送りを決めているはずです。

山形選挙区は国民民主党の現職が出馬することになっていて自民の擁立見送りは国民民主への配慮となります。

国民民主の玉木代表が新年度予算案審議で賛成に回り国民民主を含めて政策協議が続いています。

こうした状況下で自民が国民民主に配慮するということは参院選後の連立参加に含みを持たせる決定です。

百戦錬磨の森山さんがこの重大な動きを見逃す訳がありません。正論で攻めてきました。

森山さんは二階前幹事長の下で国会対策に腕を振るい菅前総理とも関係が深いです。

去年9月の自民党総裁選挙では共に一敗地にまみれた間柄でもあり反転攻勢と受け止めるのが常識です。

これに先立ち菅前総理が民放のテレビ番組で物価高などに伴う緊急経済対策について発言しました。

財源を予備費から捻出するのではなくきちんと補正予算を組んで対応すべきだと主張しました。

こちらは連立与党の公明党の主張を援護射撃した格好です。岸田執行部は痛いところを突かれました。

森山さんにせよ菅前総理にせよ策士たちがあの手この手を繰り出して揺さぶり出したように見えます。

しかし岸田執行部には強い援軍があります。ウクライナへのロシアの軍事侵攻により政局とはしにくいです。

イギリスのジョンソン首相は国民に自粛を要請している間に首相官邸でパーティーを開き罰金刑を受けました。

したたかなジョンソン首相はウクライナに飛び込んで支援を表明したり指導力のアピールに余念がありません。

自らのスキャンダルを雲散霧消にする手段にウクライナ危機を使っていることは明らかです。

岸田総理の方はジョンソン首相が置かれた状況に比べればゆさぶりと言ってもさざ波程度です。

参議院の山形選挙区にせよ補正予算の扱いにせよ自らの指導力を発揮して結論を出すことが最優先です。

岸田総理は山形での擁立は国民民主に配慮して見送り補正予算は公明党に配慮して編成すべきだと思います。

総理の決断で決着させることで政局の主導権を取れます。参院選後の自公国民民主の3党連立が見えてきます。