再び臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の時代が始まる
1895年日清戦争に勝利した日本は中国の遼東半島の割譲に成功しました。強力な横やりが入りました。
中国大陸への南下政策をとっていた帝政ロシアが主導してドイツとフランスを巻き込み圧力をかけました。
明治政府は跳ね返すだけの力量はなく遼東半島の返還を強いられました。いわゆる三国干渉です。
127年ほど時が経過し現代のロシア皇帝とされるプーチン大統領がウクライナを軍事侵攻しました。
プーチンロシアの振る舞いは国際社会における日本の針路を根底から揺さぶるものです。
明治の三国干渉の時と同様ロシアが厳しい国際政治の現実を日本に突きつけました。
まず安全保障、いつ何時力で抑え込まれるかわからないという恐怖感を日本に与えました。
ロシアのような国が暴れ出しても世界の警察官たる役目を果たす国がいなくなってしまいました。
日米同盟一辺倒による思考停止状態が長く続いたため国を守る基本が煮詰まってません。
エネルギーと食料という国家の自立の根本をないがしろにしてきたつけがもろに出ました。
少子高齢化・人口減少という一大構造問題を抱えていた日本に更なる二重三重の試練を強いています。
反転攻勢したくても財政危機の深刻度が急速に増しました。新型コロナ対策の負担は大きいです。
財政出動の原資は赤字国債ですが安定資産と言われていた日本国債に危機が忍び寄ってます。
どんなに円安になっても金利をあげられません。上げたら借金の金利も連動します。
日米の金利差を縮小して円安を防止するという常識的な一手を打ちたくても打てないのです。
国債の消化に黄色信号が灯り出したといえます。借金できなければ日本はにっちもさっちもいきません。
成長とか脱成長とかのんきな論議はしてられないのです。成長したくても成長できないと思います。
エネルギーも食料も不足し出したら戦後の混乱期とは言いませんが庶民にとってはきついです。
こんな状況の時に大規模地震とか富士山の噴火とかが発生したらどうなるでしょうか。
災害ばかりは止めることはできません。大災害が起これば経済的に日本沈没が現実味を帯びます。
災害は備えるよりほかに手がありません。経済困窮は耐えるしかありません。
臥薪嘗胆という古い言葉を亡霊のようにとらえるのではなく現代風に問い直す必要があります。
日本の安全を脅かす国があるのなら自分の国は自分で守るという基本に立つのは当然です。
経済的苦難には耐える時は耐える、困難を受け止めて新しい取り組みに挑戦する気概を持つのも当然です。
明治日本は耐えたのです。令和日本も耐えて次世代にまともな日本を残さなければなりません。