ルペン候補当選による現代版フランス革命を危惧
ロシアのウクライナへの軍事侵攻に対しEU=ヨーロッパ連合は経済制裁の対抗措置を措置を取っています。
詳細に見るとハンガリーは制裁に消極的です。ロシアに近いオルバン首相が率いる与党が今月の総選挙で大勝しました。
加盟国ではありませんが親ロシアのセルビアのブチッチ大統領も再選されました。
フランスの大統領選挙の決選投票が今日行われます。マクロン大統領が敗れルペン候補が勝てば大激震です。
マクロン大統領はEUと協調路線です。積極外交でロシアとウクライナの和解を模索しました。
ルペン候補は親ロシア、新プーチンです。EUの対ロシア強硬路線は中核国から異議が出るのは確実です。
軍事同盟のNATOはより大きな衝撃を受けます。フランスの脱退の可能性が現実味を帯びるからです。
もしフランスがNATOから手を引くことになればNATOの根幹が崩れます。ヨーロッパの軍事情勢は混とんとします。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受けてスウェーデン、フィンランドがNATO加盟に向け動き出しました。
フランスが脱退の方向となると両国は加盟するかどうか判断するため状況を見極めようとするでしょう。
第2次世界大戦後NATOの枠組みを構築する中心はイギリスでした。西ヨーロッパの軍事秩序を新たに作りました。
アメリカを巻き込みソビエト(現ロシア)を排除し、ドイツを抑え込む手段として立ち上げました。
NATOは軋みも見せました。フランスがイラク戦争の時に持論を曲げずアメリカの意向に従わなかったのが典型です。
国連の安全保障理事会の常任理事国は米英仏中ロです。フランスがロシアに向けば3対2で英米両国が少数派となります。
世界の安全保障体制の変化は緊張激化の可能性の拡大です。世界の軍事情勢が不透明さを増してくることは確実です。
ルペン候補の当選はいわば現代版フランス革命です。革命の衝撃は激震となって世界を揺さぶります。
日本は日米同盟とG7とを車の両輪としてウクライナ戦争に対処してきましたがG7の一角が崩れるのです。
G7 が機能不全に陥る可能性があります。日本は日米同盟の一本足打法だけで混迷する情勢に対処しなければなりません。
直近の世論調査は10ポイント、マクロン大統領がリードしてますが情勢は予断を許さないとメディアは伝えています。
ルペン候補が勝利すれば日本は新型コロナ、ウクライナ戦争に続きEUとNATOの激震という重大な危機に直面します。
どんな事態になっても岸田政権がぶれることなく自由と民主主義を守るという王道を堂々と歩むことを期待して止みません。