マクロン勝利の立役者はゼレンスキー

フランス大統領選挙、マクロン大統領が再選を果たしました。対ロシア制裁は堅持されます。

得票率で16 ポイント差と伝えられルペン候補を最終盤で引き離し貫録を見せました。

ルペン候補はフランス一国の経済を重視し経済制裁への見直しを訴え生活に苦しむ有権者に浸透しました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻への経済制裁でエネルギー価格などが上がったことが背景にあります。

2016年11月のアメリカ大統領選挙のドラマを再び見せつけられるのかと身構えました。

トランプ候補はグローバル経済の進展で国内の労働者の雇用が失われたとしてアメリカファーストを打ち出しました。

勝利が確実だとメディアが報じていたヒラリー・クリントンを破り劇的勝利を収めました。

ルペン候補の主張はトランプ氏と重なって見えます。ロシアに宥和的なところも似ています。

しかし2016年と2022年との決定的な違いは侵略戦争が起きているかどうかです。

トランプ候補の時は自国優先の主張が困窮する国民の共感を大きく広げました。

ルペン候補の自国優先策は一定の支持拡大はあったものの頭打ちとなりました。

ウクライナでのロシアの暴虐に徹底抗戦するゼレンスキー大統領の姿がマクロン大統領を押しました。

フランス国民の間に自由と民主主義を守る国民意識を高める効果を与えたと思います。

ここでロシアの暴挙を許せばヨーロッパの秩序が破壊されるとの危機感が芽生えたと考えられます。

プーチン大統領はルペン候補の勝利を待ち焦がれていたでしょうがフランス国民の良識が勝ちました。

マクロン大統領の勝利は西側陣営にとって対ロシア政策を遂行する上で決定的意義があります。

ルペン候補が勝利していたならばEUとNATOの結束が揺らいだことは間違いないからです。

揺らげば対ロシア強硬姿勢は保持できずロシアの思惑通りことは進みウクライナは苦境に陥りました。

ウクライナの軍事情勢はロシアの東部地域への軍事侵攻が本格化して激戦が予想されます。

こうした中でフランスの対ロシア強硬路線が堅持されたことでウクライナの士気は高まるでしょう。

ロシアのウクライナへの軍事侵攻はどう見ても侵略戦争です。ロシアの主張には納得できません。

ロシア系住民の保護を目的にウクライナの広範囲の都市をミサイル攻撃することは許されません。

ウクライナを属国のように見なす時代錯誤の大国主義は許されるものではありません。

西側の結束でロシアの野望を打ち砕くことが至上命題だと私は思います。

プーチン大統領や習近平主席、金正恩総書記らが跋扈する世界は勘弁願いたいです。