福島原発告訴団長のやり場のない悲しみ。
昨日、福島原発事故をめぐって東京電力側を刑事告訴している原告団の代表、武藤類子さんの話を聞きました。脱原発の市民グループの企画でした。
会場は横浜駅近くの県民活動サポートセンターの会議室。午後3時開開始、ギリギリで会場に到着しました。座る場所がありませんでした。
50人も入ればいっぱいになる場所が67人の参加ということでした。急きょの開催だったのにと主催者の人たちも驚いていました。
武藤さんたちの告訴の結論は不起訴です。福島地方検察庁に告訴したにもかかわらず事件は東京地方検察庁に移管され東京地検から結果が申し渡されました。
原告団は福島の地元の痛みを感じることができる場を告訴場所に選びました。しかし訴えられた東京電力の関係者の多くが東京在住者などの理由で移されました。
不起訴になった場合、検察審査会に異議を申し立てできます。しかしその場所は不起訴決定を下した東京地検のある場所の検察審査会です。
東京都内の有権者から抽選で選ばれた11人が審議することとなります。原告団は、福島の検察審査会に申し立てをしたかったと話していました。
出席者との質疑応答の中で今後に見通しについて質問が出ました。武藤さん、答えに窮しているように見えましたが言葉につまりながら回答しました。
先行きはわからないと答えるしかありませんでした。やり場のない悲しみが伝わってきました。検察審査会に選ばれた方々の審議結果を待つしかありません。
このままですと、原発安全神話を振りまきながら大事故を起こした東京電力側の刑事責任を問う場がありません。被災者が不条理だと感じるのは当然です。
会場から東京電力を取り囲んで世論を喚起しようとの意見が出ました。賛同の拍手が上がりました。しかし、世論が沸騰するのは容易ではありません。
汚染水問題などで福島が危機的な状態にでも陥らない限り世論の関心は高まりません。全くもって皮肉な状態に陥っています。