今上天皇即位3年
1日で今上天皇が即位され3年となりました。コロナとともに過ごされた年月です。
国民の苦境に思いを寄せ自らの振る舞いを厳しく律される姿には敬意を表します。
緊急事態宣言下で高級クラブで飲み歩いていたことが発覚した政治家の皆さんは範とすべきです。
今上天皇が皇太子の時、私には格別に印象に残っている出来事があります。
ご成婚のパレードが始まる前1993年6月9日の午後、私は東京九段の議員宿舎に居ました。
NHKの自民党幹事長担当記者でした。梶山静六幹事長の部屋で梶山さんと雑談をしてました。
梶山さんに「ご成婚でこれから日本の未来は明るいですね」と語りかけました。
梶山さんに元気になってもらおうとの思いで発したお体裁の言葉でした。
通常国会は最終局面に来ていて選挙制度改革を柱とする政治改革法案の審議が山場でした。
小沢一郎さんらのグループにに揺さぶられ梶山自民党は危機でした。
ご成婚で局面転換ができないか願望を込めて梶山さんにエールを送ったのでした。
政局は内閣不信任案の成立、解散総選挙、自民党の下野と激動が続きました。
政局が混とんとする中、自ら政治を志しその年の8月5日にNHKを辞めました。
以上のような一連の経緯もあって今上天皇の雅子皇后とのご成婚は印象深いのです。
今上天皇のご成婚後の皇太子としての日々は決して平穏無事ではありませんでした。
子供が授からなかったこともあり皇太子と雅子妃は精神的に追い詰められました。
2001年愛子さまが誕生後も世継ぎ云々などと非難は止みませんでした。
皇太子が2004年記者会見で「雅子を人格否定するかのような動きがある」とまで述べられました。
苦痛の日々は日本国の象徴に相応しい人格を形成されるうえで糧になったと確信します。
コロナ禍にある国民への今上陛下のご配慮は痛みに耐えられた体験者の他者への共感だと思います。
愛子さまがご立派に成人された姿をテレビで拝見した時は喜びひとしおでした。
人数の減少により皇室の危機が叫ばれている中で愛子さまは希望の星のように思います。
現在進められている皇室のあり方の議論の主要な論点のひとつに女性天皇があります。
私は大賛成です。皇位継承は男系に限るという伝統は保持し女性天皇は可能だからです。
政府は参院選前に国論を二分する議論を避けてきました。選挙後は本格化を願います。
記者会見で愛子さまからが発する言葉には品格と優雅さが感じ取れました。
今上天皇の人格と雅子皇后の知性を受け継いでいるように思いました。
皇族としての経験を積まれ万民が待望する皇位継承者に成長されることを期待して止みません。