続・県議選挙区見直しの不条理に抗する

政治記者の頃、自民党の梶山静六幹事長の議員宿舎に朝回りをした時のことです。

居間のテーブルの上に難しそうな本が置いてありました。『忠誠と反逆』という題名でした。

日本を代表する政治学者の丸山眞男が幕末維新期の日本人の忠誠と反逆を考察したものです。

梶山さんは中身を読んでいる訳ではなく題名に惹かれて買ったんだと言ってました。

梶山さんが題名から連想したシーンは田中角栄さんへの忠誠と反逆だと推察しました。

田中さんに見い出されて国政への道を歩み出し田中さんに反旗を翻し竹下派を誕生させました。

壮絶な権力闘争の只中にあって梶山さんは筋を通そうともがいたに違いありません。

反逆が私憤ではなく天下国家のための行動なのだと自らを言い聞かせる大義を探したはずです。

こうした修羅場をくぐった政治家は凄味だけでなく懐が深くなります。

自民党だからというような狭い理屈ではなく天下を考えた立ち振る舞いを目指すからです。

自民党に本物の政治家がいなくなったように思えてなりません。修羅場の体験が浅いからです。

地方政治も同様です。自民党の枠を超えて仕切る能力を持つ自民党の政治家が見当たりません。

昨日のブログで書いた神奈川県議選の選挙区割り案、自民党に本物の政治家がいない証しです。

自民党の議席を減らさないようにする目論見が透けて見えます。党利党略です。

本物の議員がいれば一喝して定数増で当面しのぐ選択をしたはずです。

人口減で苦しんでいる地域に更に加えて鞭を当てるようなあこぎなことはしません。

県の事務当局からの財政削減の圧力におびえて人口減少地帯に犠牲を強いることはしません。

県の意向を忖度して定数を削減し自民党は不利にならないようにするなんて情けないです。

切り貼りされる当該市の南足柄市で反発の声が上がるのは当然すぎるほど当然です。

昨日は綱島麻実さんを紹介しました。同僚市議の岸本敦子さんも奮闘されていると伺いました。

女性に焦点を当て過ぎて書いてしまったためか事実と異なるという指摘ももらいました。

男性の方々からも怒りの声が届き集会を開く原動力になっているということでした。

賛同する議員は党派を超えて集まりつつあり36人まで増えたと聞きました。

県議会最大会派の自民党が方針を決めている中で反発の声を上げるのは勇気が要ります。

忖度せずにダメなものはダメとの声が地方議員を中心に広がれば一定の力となります。

最初どなたが言い出したのか知りませんが反発の声は燎原の火のように広がってます。

どれだけの広がりを見せるか22日の集会ではっきりします。私は大いに期待してます。