福岡の火災を契機に都市の同時多発火災の脅威を検証すべき。
11日、福岡の整形外科のビルで火災が発生し10人が死亡しました。防火扉が閉まらず煙が充満し被害を大きくしたと報道されてます。
整形外科の入院患者ですので身体が動きません。そこに煙が襲ってきたのですからたまりません。痛ましい火災だとつくづく思いました。
こうした火災が同時にいくつも箇所で発生したら対応できるでしょうか。大きな地震が発生した時、都市部では間違いなくこうした現象が起きると予測されます。
地震で建物が傾き防火扉が閉まらないなんてことも十二分に考えられるます。消防車の手配が間に合わず犠牲者が増えてしまいます。
それより恐ろしいのは火災が至るところで発生し上昇気流が強まり火の手が竜巻のようになって襲ってくる危険性です。火災旋風と言われてます。
1923年の関東大震災の火災による犠牲者は、9万人です。木造家屋が多いため延焼が拡大し火災旋風によって多くの方が犠牲になったと言われています。
火災に強いビルは煙にやられ、木造家屋の密集地は関東大震災のように火災旋風が発生するとなったら大変な被害をもたらします。
現代は建築物の耐火も進み消防力も上がったからといってとても安心できません。福岡の火災をきっかけに大地震の際の都市部の火災の脅威を再検証すべきです。
関西學院大学災害復興制度研究所長の室崎益輝さんが盛んに警鐘を鳴らしています。特に首都直下型地震に対して被害想定が甘いと指摘してます。
2500件の火災が発生し65万棟が消失、死者が6200人。これが政府の想定です。関東大震災は21万棟で9万人です。
いくら時代が違うとは言え被害想定が小さ過ぎるというのが室崎さんの見解です。現代でも木造住宅の密集地はあります。室崎さんの指摘に耳を傾ける必要があります。
木造の住宅密集地は大都市だけの問題ではありません。中小都市でも町村でもあります。大地震の際の同時多発火災への備え再検証が必要です。