総合安保から見たモリカケ桜

ロシアにしても中国にしても過剰なまでに自由と民主主義を恐れています。

北朝鮮やミャンマーも同じです。自らの強権的独裁権力を脅かすと思い込んでいます。

裏には西側諸国がいて揺さぶっているという陰謀論が常に横たわっています。

誤解を恐れずに言えば自由と民主主義は強権独裁国家に対する最強の矛です。

自由と民主主義陣営に属する日本としては矛を強化することは重要な安全保障策です。

ミサイルを撃ち込まなくてもインターネットを通じて自由と民主主義は拡散します。

強権独裁国家の国民が目ざめれば武器を使わなくても体制は変わる可能性があります。

1989年11月のベルリンの壁崩壊、2010年からのアラブの春の激動はそれを物語ってます。

自由と民主主義を求める民衆の声はうねりとなって難攻不落の独裁体制を崩壊させました。

残念なことは自由と民主派は統治技術に未熟なため安定的な体制を築けなかったことです。

自由と民主主義という価値観は決して空理空論ではなく現実的な力を持つことを証明しました。

総合安全保障の観点から見た時に自由と民主主義の力を再認識することが必要だと思います。

日本は自由と民主主義を強調しながらこの価値観に反する政治行為を犯すことがあります。

ロシアや中国、北朝鮮を批判しながらその体制を真似するような行為です。

典型的なのが安倍政権下で起きたモリカケ桜問題です。菅政権の学術会議任命拒否もそうです。

日本が中国化してしまったかと思うような行為を中国に厳しい政権が行うのは悪い冗談です。

モリカケ桜や学術会議問題は国内問題であると同時に安全保障にも関わります。

公的文書の改ざんや法的に認められた任命権を隠微な形で封殺するのは独裁国家手法です。

日本が自由と民主主義を重んじる国であるならば態度で示さなければなりません。

安倍政権とそれを引き継いだ菅政権は背信行為をしました。決定的汚点だと思います。

2015年4月伊藤詩織さんへの性暴力事件容疑が表ざたになりました。

伊藤さんは元TBS記者に対し民事訴訟を起こし現在係争中です。

警視庁が逮捕状が出ていながら執行しなかったと週刊誌が報道しました。

元TBS記者は当時の安倍総理と近しい関係にあったことから裏の動きが疑われています。

真相は闇の中ですが権力が私物化されているように見える嫌らしさがあります。

モリカケ桜問題を引き起こした政治体質と同質な匂いを感じてなりません。

保守本流を自任する岸田政権は安倍政権の政治体質からの脱却し公明正大さを目指すべきです。

それは日本の国力を高め安全保障に寄与するとの認識を持つべきだと思います。

 

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