神奈川県海老名市の現場目線のまちづくり
24日の神奈川大学政策過程論のゲストは海老名市長の内野優さんでした。
口八丁手八丁という言葉がはまります。行動は迅速、早口でまくしたてます。
学生たちに冒頭行政は総合サービス産業だと結論を述べていました。
福祉もあれば教育も道路や橋の建設もあります。全てを貫く基本は住民からの視点です。
住民サービスの向上になるのかどうかという一点に集中して考えることを強調してました。
海老名市は新型コロナ対応で次々と新規の対応を繰り出し他市町村を驚かせました。
NHKの首都圏ニュースに再三登場しNHKは海老名市の広報機関になったのかと思うほどでした。
ワクチンのうち手がいないと聞けば救急救命士に任務を与えました。
買い物に困っているとなれば職員でチームを編成し代行サービスの対応をしました。
外国人の住民が不安を感じているのに対し何とイスラム寺院でワクチン接種を実施ました。
この姿勢は他の施策においても一貫してます。ごみの有料化もそうでした。
有料化は反発を恐れ行政は逃げ腰になります。内野市長の発想は違いました。
有料化すれば各家庭の玄関先にごみを出してもらいそれを収集する戸別収集の財源が出ます。
高齢者などゴミ出しがひと苦労な住民にとってはメリットになるのです。
ひとりひとりのごみ減量化への自覚も高まり更に財源の余裕を生むことにつながります。
各学校のプールを全廃し市内4か所の室内プールに統合することを断行しました。
プールは屋外で各学校に配置されているものだという思い込みを打ち破ったのです。
プールへの送迎など不便さも生じますがそれ以上に良好な環境での水泳の授業は歓迎されてます。
図書館を民間委託していることについて学生から質問がでました。内野市長の答えは明快でした。
利用者が激増していて喜んでいることが全てで問題点は修正すれば良いということでした。
内野市政の最大の特色のひとつだと私が思っているのは総合教育会議です。
2015年の制度改正で首長が座長となって地域の教育全般を考える会議です。
他市町村が形式的に年に1度程度実施しているのに対し年4回開催してます。
こうした場を通じて教育現場の声を吸い上げていく機会にしているのは賞賛に値します。
内野市長が海老名市の弱点に挙げたのは芸術文化が育っていないことでした。
おカネがかかる活動ではあると前提を置いたうえでここを充実させることが課題だと述べました。
現場目線で効率を重視してきた海老名市らしさを育てるために芸術文化に目を向けました。
最後に地方自治体に就職希望の学生の皆さん海老名市が一番ですと自信満々でした。