参院選後に待ち受ける岸田政権の試練
岸田政権の支持率が上昇中であることが国会論戦でも話題に上りました。
岸田総理は答弁の中で一寸先は闇と述べて気を引き締めていました。
岸田総理に襲い掛かるのはロシアです。ウクライナへの軍事侵攻の長期化が影を落とします。
ウクライナには失礼な言い方ですが予想を超えて粘り強く反抗しています。
ウクライナの屈強な姿勢に欧米各国も軍事支援を強化し続けています。
この効果によってウクライナ軍は反撃力を増し長期戦が可能となっています。
アメリカのバイデン大統領はロシアとの直接の対峙は避けるのが基本姿勢です。
武器援助を通じて間接的に支援する訳ですので決定的な軍事情勢の変化はもたらしません。
ウクライナ軍を勝たせようと軍事支援すればするほど戦いは長期化する矛盾に陥ってます。
戦争が泥沼化することは避けたいという意見が出るのは自然の流れです。
アメリカのキッシンジャー元国務長官はロシアと妥協し停戦するのが得策と述べました。
旧ソビエトとの外交交渉で頑迷固陋さが骨身にしみているからだと想像します。
エネルギーと食料大国のロシアは国内の反発を抑え込めば持久戦は可能です。
ロシアにエネルギーや食糧で依存する国々が干上がるのを待つぐらいは平気でします。
ロシアと妥協するということは蛮行を一定程度是認することと同義です。
力による国際秩序の変更は受け入れがたいです。他国への波及が懸念されるからです。
フィンランド、スウェーデンがNATO加盟申請したのもロシアへの警戒感からです。
旧ソビエト時代からロシアの強権に苦しんだ国々は忌々しい記憶がよみがるのでしょう。
EU内で対ロシア経済制裁が破綻せずに強化されているのは警戒論が根強いからです。
日本の岸田総理も力による現状変更の容認はアジアの国際情勢の変化に直結すると警戒してます。
台湾有事という言葉が真実味を帯びて語られるようになってきました。
ロシアのやり方を中国が模倣したらアジアの国際情勢は一気に緊張します。
世界経済への影響は避けがたく日本は円安下での物価高に見舞われています。
こうした経済状況の方も長期化すると政権運営にも影響を及ぼします。
議論となるのは参院選後です。岸田総理は政治家として政治信条が問われることとなります。
ロシアへの妥協は日本の国益に決定的悪影響を及ぼすと言い切れるかどうかです。
もちろん一定の経済対策は打ちます。それでも状況は深刻化します。
国民全体に厳しい局面は続くが耐えて欲しいと要請しなければなりません。
物価高など経済制裁の悪影響に立ち向かうことができれば岸田政権は本格政権となります。