道州制再考3
石原慎太郎さんの発言を引き金に尖閣問題が火を吹いてしまいました。国家の基本となる領土が揺らぐとなりますと由々しき問題に発展しかねません。
もう一つ、TPP問題があります。参加するとなると国土を守る産業である農林水産業に壊滅的な打撃を与える可能性を秘めています。
道州制を論議するということは、国家のかたちを論議することにほかなりません。領土やTPP問題のような国の根幹を問う課題と離れた議論は意味をなしません。
しかし、自民党の道州制推進本部がまとめた「道州制基本法案」では、領土、TPP問題との関連で道州制は全く語られていません。
沖縄が州として自立度を高めたら尖閣を中国に取られやしないか、北海道も同様ロシアにしてやられないかという疑問に答えなければなりません。
TPPに入り農林水産業がガタガタになるのを防ぐにはどうすればよいのかと道州制は無関係ではありません。北海道は特にそうです。
TPPは、関税ゼロ、参入障壁なしを標榜しています。例えば沖縄を特別州の形にして導入を図ることも検討対象だと思います。
私は、領土問題やTPP問題に対応するためにも道州制の導入の必要があると思っています。47都道府県体制より強固な対応を取れる可能性があるからです。
沖縄はアメリカ占領下時代には琉球政府がありました。外交防衛や通貨以外は琉球政府が対処していました。同じ姿を道州制特区で取ることは可能です。
産業経済は琉球政府、外交防衛は日本政府と区分けをした方が尖閣をめぐる領土問題に対する対処が明確になると私は考えます。
問題は在日米軍基地です。新たな琉球政府ができても住民投票などを通じて住民の意思を担保する仕組みを確立すべきだと思います。
北海道は既に現在の法律で道州制の特区として位置づけられています。北海道道庁が及び腰です。国は権限を渡したくありません。だから進んでいないだけです。
政府が本来の指導力を発揮して北海道にある北海道開発局をはじめとする国の出先機関と北海道庁を合体させて強力な地方政府を創るべきだと思います。
特区を更に一歩進めた形です。このような体制をとって初めてTPPといった超難問に対応する事ができます。ロシアにも経済交流を仕掛けることができます。