静岡県小山町込山前町長の捲土重来なるか
7日の神奈川大学政策過程論のゲストは静岡県小山町の込山正秀前町長でした。
民間企業精神の塊みたいな8年間の町政運営でした。講義で振り返ってもらいました。
大学卒業後建設会社に20年勤務のキャリアが存分に活かされました。
関西弁で”もうかりまっか”という言葉があります。行政でやってのけた方です。
2011年3月の東日本大震災の津波により開発の潮流が変わりました。
沿岸部の開発の危険性が意識され内陸部に関心が集まるようになりました。
込山町長はこの流れを捉えて開発事業を一気呵成に進めました。
自ら不動産業だと言ってのけるぐらい町独自で住宅開発を行い分譲販売しました。
国レベルの交通基盤整備の流れに乗りました。東名高速足柄SAのスマートインター化です。
新東名の小山PAのスマートインター化は2023年度に完成予定です。
一連の事業と並行して工業団地への企業誘致、五つ星ホテルの進出を実現しました。
高機能トマト、豆腐、サーモンといった食料生産の企業の誘致も特徴です。
木質バイオ燃料を活用しての発電、太陽光発電の推進にも熱心です。
住民ニーズの高い防災事業や福祉、教育関連の公共施設も矢継ぎ早に建設しました。
事業原資を支えたのがふるさと納税です。2018年には250億円近い納税額でした。
返礼品をアマゾンの商品券としたことが爆発的ヒットの原因でした。
知人からのアイデアでした。受け入れたのは商売人魂が宿っているからです。
総務省と激論となり返礼品は地場産品に限定するなど制度見直しのきっかけとなりました。
イケイケの込山町政、向かうところ敵なしと思いきや行く手を阻まれました。
2019年4月の町長選挙で対抗馬が立ち一敗地にまみれたのです。
講義でふたつの敗因を挙げていました。新税の導入と自身の体調です。
開発を進めたので長期的な財源確保の方策として都市計画税の導入を打ち出しました。
開発のメリットを享受するだけでなく町民に一定の負担を要請しました。
静岡県立がんセンターで行った検診でごく初期のすい臓がんが見つかりました。
げっそりやせてしまい任期4年は持たないとのうわさが広がりました。
420票差でした。込山さんは4年間の休養期間をもらったと切り替えました。
自らのまちづくりは道半ばでやり遂げたいと来年4月の選挙で捲土重来を明言してます。
選挙時は75歳です。質問に来た学生にバイデンだって自分より年上だと意気軒昂でした。
私は小山町らしい教育に照準を合わせたらどうかと感想を述べました。
教育環境の整備には民間人の発想が必要です。込山町長の働き場があると思います。