菅前総理の講演中止の背景を読む

菅前総理が横浜市内にある県立瀬谷西高校で講演することがわかり批判が噴出しました。

講演は中止に追い込まれました。表向きの理由は菅前総理の日程上の都合です。

神奈川県教育委員会と高校の連名で5月31日に記者発表したところでした。

返還された地域の在日米軍基地跡地で花博が開催予定です。脱炭素の動きも激しいです。

一連の取り組みに関係の深い中心人物として菅前総理に白羽の矢が立ったのでしょう。

瀬谷西高校は瀬谷高校と統合され来年3月で廃校となることが決まっています。

瀬谷西高校としての最終年度のイベントとして3年生を対象に企画したとのことです。

13日の開催ではタイミングが悪すぎます。22日に参院選が公示されます。

自民党の著名な政治家である前総理を招くとなれば特定政党に偏り過ぎだと批判されます。

時期をずらして開催するかあるいは政治家ではなく有識者を招くかが普通です。

この極めて常識的な判断がなぜなされなかったのかの方にこそ問題の根っこが潜んでます。

神奈川新聞は止める人がいなかったのかという見出しを掲げ記事を掲載してます。

真相を解明した内容ではありません。開催の意図や中止判断はやぶの中です。

誰かが企画したはずです。高校、県の教育委員会で認められたから発表されたはずです。

当事者たちの認識の甘さなのか、あるいは強引に押し切る人物がいたのか。

当事者たちにきちんと当たり検証記事を期待します。地元紙の役割です。

菅前総理が引き受けたことにも疑問符があります。参院選前であることは承知のはずです。

直接政治とかかわりのある内容ではないので大丈夫だと判断したとすればミスです。

菅前総理は昨年9月に支持率急落の中で総裁選出馬断念に追い込まれました。

引き金は8月の横浜市長選挙で菅総理の推した盟友の国家公安委員長が敗れたことです。

当選した山中光春市長を押し上げた原動力のひとつは市民運動家たちです。

横浜市内にある県立高校で菅前総理が講演するとなれば反対運動に飛びつくのは当然です。

昨年8月の熱気が頭に去来したはずです。一気に批判の声が盛り上がった原因です。

菅前総理は横浜の市民運動家たちの心情を軽く見過ぎたのだと見ています。

菅前総理に対するマイナスイメージは払しょくされていないことを示した事件だと言えそうです。

菅前総理に近い国会議員のグループ結成の動きが報道されていますが日の目を見ていません。

結成に踏み切れない背景には菅前総理に対するマイナスイメージがあると思います。

うごめくことはそうしたイメージを増幅させてしまうと懸念していると推測します。

 

 

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