岸田流政治手法の信任選挙
15日通常国会閉会後の記者会見で岸田総理は来月の参院選のネーミングを聞かれました。
即答を避けました。直感で即答することを避ける用心深さを感じます。
国会のやり取りも含め丁々発止という場面はありません。常に間を取ります。
既にブログで分析したところですが政策の打ち出し方も全く同じです。
大枠だけを示して一定期間後に具体策をまとめるという2段構え方式です。
諸情勢を見極める時間を確保してできる限り反発が出ないようにする配慮です。
聞く力を一枚看板としている岸田総理らしい政治手法として定着してます。
言い争いを好まない自身の性格を踏まえた政権運営術だと私は捉えています。
全てを先送りする訳ではありません。世論の動向を敏感に感知して即応する場合もあります。
出産一時金の大幅増額を総理判断として言明しました。選挙戦術として巧みです。
42万円では不足だとの声にこたえる形で具体に言明したことは高評価につながるはずです。
思い切った発言はないと高をくくっていたと思われる他党は一本取られました。
岸田総理は出産一時金の増額を今後強調していくでしょう。注目度が上がります。
今度の参院選挙は岸田総理流の政治手法に対する評価が最大の焦点ではないかと思います。
積極果敢さは感じません。安定性はあります。ときに出産一時金増額みたいな発言もあります。
こうした岸田流政治に対し有権者が判断を下すのが今度の参院選です。
世論調査はまずまずです。選挙で投票に直結するかどうかがわかります。
マスコミの論調は自民優勢です。今度の参院選を見る視点としてはいささか的外れです。
私は政党に焦点を当てるのではなく岸田総理に絞ってます。岸田流が問われているのです。
岸田流を有権者が認める結果となればこの先岸田政権の安定度は格段に向上します。
国内外の超難問を捌くかじ取り役として岸田総理の重みは増すことになります。
もうひとつの参院選挙の焦点は与党に歩み寄った国民民主党の消長です。
党の存亡をかけた玉木党首の判断を有権者が是と見るか非と見るか注目してます。
一定の評価を得たならば選挙後国民民主党は連立の枠組みに参加する方向に進むと見ます。
岸田政権に与党内の立場から提言ができ政策の実現可能性はぐっと増します。
有権者が逆の判断をしめせば党の未来は暗転します。党は分裂の危機になります。
またもや立民や維新を巻き込んで野党再編のごたごたが始まると思います。
私は玉木党首の判断は危機に瀕した日本を救う一手だと評価してます。
岸田総理が維新のポピュリズムに煽られ揺らぐことを防ぐ役割が期待できるからです。