赤ちゃんの泣き声が響く真鶴町へ

日本の安全を考えるというとロシアによるウクライナ侵略もあり軍事に目が行きがちです。

あるいは異常気象に毎年襲われているので気候変動への関心が高いです。

しかし真に日本の土台を揺るがしているのは人口減少です。人がいなくなっているのです。

コロナの影響もあり昨年中に生まれた子供の数は84万人で減少が止まりません。

女性が一生の間に産む子供の数合計特殊出生率は最新のデータは1.30でした。

出生率が話題となったのは1989年です。ベルリンの壁が崩壊し国際情勢が揺れ動きました。

1.57でした。今から考えると極めて高いです。それでも騒動となったのです。

続いて2004年。ついに1.3を割り込み1.29ショックと呼ばれました。

その後若干持ち直したものの上記のように再びこの水準まで下がってきたのです。

子供の数が激減する社会ほど寒々しいものはありません。活力が乏しい社会です。

合計特殊出生率問題は東京問題と言われることがあります。東京の出生率が低いからです。

結婚適齢期の女性が東京に出ると子育てを取り巻く環境から子供を産まないとされてきました。

最新のデータでも1.08ですのでこの指摘は正鵠を得ていると言えます。

神奈川県を対象に絞って合計特殊出生率を見てみると驚くべき事実にぶち当たります。

神奈川県も統計を取り始めてから昨年初めて人口減少に転じたことが報道されました。

市町村別の合計特殊出生率(2019年)を見ますと1.0を下回っているのが5市区町村あります。

最低は真鶴町の0.74で次いで箱根町の0.78、三浦市と横浜中区が0.95、南区が0.98です。

真鶴町は2016年から1.17、1.12、1.07、2018年に1.34と持ち直したものの翌年急減。

大都市部の東京より大きく数値が下回っている原因を徹底究明する必要があります。

東京は生活費が高く子育てする経費が掛かり過ぎるなど理由がわかります。

真鶴町のように自然環境が良くほどほど便利で赤ちゃんが産まれないのは不思議です。

産む場所がない、子育て支援のメニューが貧弱、教育環境が魅力的でないなどが考えられます。

小さな町村だからこそ思い切った手が打てます。全国に先進事例がいくらでもあります。

真鶴町は神奈川県で唯一過疎地域指定を受けています。県や国の応援も得やすいです。

町の側から積極果敢に問題提起をして出生率の改善に取り組むべきです。

真鶴町は町長の有権者名簿の持ち出し問題が発覚し町政の混乱が続いてます。

早期に事態を収拾することが求められます。赤ちゃんが産まれない町は存続できません。