安倍元総理が加勢し自民大勝

私がNHKに入社した年、1979年の暮れに大平正芳内閣が誕生しました。

暮れの衆議院解散総選挙で大平総理は惨敗を喫しました。増税発言が決定的でした。

ここから40日構想と呼ばれる自民党内のすさまじい構想が繰り広げられました。

1980年5月、社会党が提出した内閣不信任案に自民党の一部が同調し解散総選挙となりました。

初めての衆参同日選挙でした。選挙中大平総理は倒れ帰らぬ人となりました。

自民党は衆院で284議席の大勝でした。大平死して絶対安定多数の議席を遺しました。

参議院選挙、自民党は単独で改選議席過半数63議席を獲得しました。

9日に発生した安倍元総理の銃撃事件の衝撃の影響は否定できないと思います。

安倍元総理への同情と安定政権という有権者の意識が最終盤に票を上積みしたと見ます。

安倍総理が倒れた奈良選挙区は三つ巴の混戦でしたが自民の現職が再選を果たしました。

新潟で24年ぶりに自民が議席奪還を果たしました。相手は立民の女性闘士でした。

ただ沖縄選挙区では野党系の現職を追い詰めたものの届きませんでした。

安倍元総理といえば自民党タカ派を代表する立ち位置に立つ政治家です。

安倍総理の非業の死の果実は岸田総理に与えられます。穏健保守の政治家です。

衆参両院で安定議席を手中に収めた岸田総理の政局運営の方向が見ものです。

外交では対ロ対中への対抗路線を先進各国と連携しながらどう展開していくかです。

アメリカのバイデン大統領の求心力の低下が顕著な中での岸田総理の振る舞いは重要です。

内政では持論の新しい資本主義実現の本丸である分配重視へと舵を切るかです。

立民は改選議席を割り16議席です。東京で蓮舫さん4位、勢いの陰りを象徴してます。

小沢一郎さんの影響力の強い岩手で敗れました。小沢王国崩壊が近づきました。

維新は6から12へと倍増させたものの全国進出の野望はハードルが高かったです。

保守的無党派層が自民により流れたことで浮上できなかったと思います。

神奈川選挙区で元知事の松沢成文さんが2位に入りました。神奈川限定ですが影響力を増します。

公明は今度も堅調でした。自民大勝後の政局運営に独自性の発揮ができるかが課題です。

防衛費増額や憲法改正へのスタンスをどうとるかを注目してます。

国民民主党は自民に寄ることで勝負を賭けました。結果は厳しかったです。

山形で競り勝ったこと、玉木代表のおひざ元の香川で2位に入るなどかすかな光もあります。

政策提案型の小政党として活路を見い出す路線は堅持すべきだと思います。

共産党は苦戦でした。野党共闘で突き進んできた路線が壁にぶち当たってます。