憲法改正の可能性を探る

参院選で憲法改正に前向きとされる自民公明維新国民の4党で3分の2を越えました。

衆参両院で憲法改正の発議が可能な環境が整い改正論議が加速すると報じられてます。

与野党の憲法審査会での議論が焦点となります。民意からして論議は進むはずです。

岸田総理は3分の2の勢力が合意できる案作りに期待感を示しています。

立民や共産やれいわとの意見の隔たりは全会一致の合意が得られる環境にはありません。

多数決で決する覚悟がない限り限り発議は困難ですので岸田総理の考えは妥当です。

多数決で決めるということは事実上の強行突破と受け止められる可能性が高いです。

岸田総理が国葬決断のように進めることができるかどうか。慎重さが信条ですので微妙です。

維新は別にして公明と国民も合意に向けて粘り強く議論しようとするでしょう。

岸田総理が衆院の解散総選挙覚悟で憲法審査会に望まない限り議論はとん挫すると思います。

解散の方に振れれば天下分け目の決戦となる衆議院選挙とならざるを得ません。

岸田総理の総裁任期は2024年9月までですのでそれまでのいずれかの時点です。

勝負に勝って改憲賛成派で衆院の3分の2を維持できれば改正案を賛成多数で強行が可能です。

憲法改正の国民投票は単独で行う方法のほか2025年夏の参院選に合わせる手もあります。

ただしこの場合は2024年9月までの岸田総理の任期を越えてしまうという決定的問題があります。

自民党が提示している改憲4項目は合意の得やすさに温度差があります。

憲法9条の改憲を外して4党の合意が得やすい案を作るという手があり得ます。

9条の改正以外は合意しようとすれば歩み寄りは可能です。4党の党首の決断次第です。

地方分権の明確化とか地球環境保全の重視とか追加できる項目も考えられます。

自民党内から9条改正を先送りしては改正の意味はないと反発が出るのは間違いありません。

この辺りの反対論をどこまで重視するかが岸田総理の最大の試練です。

私は9条の堅持論者です。アメリカから理不尽な防衛力強化要請あった場合の防波堤だからです。

現行憲法の象徴でありこれを改正してしまっては憲法前文の精神とちぐはぐです。

自衛隊の存在は憲法解釈上認められてます。あえて明文化にこだわらなくても良いです。

安全保障法により一定の条件の下では自民党が主張してきた集団的自衛権も認められています。

自民党が9条改正について譲れば改正に前向きな野党との合意案は現実味を帯びます。

ただし改正が目的ではありません。何のために変えるかを明確に説明できることが大前提です。