国土強靱化計画は治山治水を柱とすべきです。
先日、東京の代々木駅でなでしこジャパンの佐々木則夫監督のポスターを見かけました。「国土強靭化計画」推進のポスターでした。たまげました。
10年間で200兆円つぎ込んで高速道路や橋梁など社会資本の老朽化をストップさせてリニューアルを進めようというのが計画の概要です。
いよいよナチスばりの国民運動で公共事業に莫大な資金を注ぎ込もうという壮大な計画が着々と進行中だということを実感しました。
しかし、ヒトラーも悪いことばかりをした訳ではありません。アウトバーンという名の高層道路網、カブトムシの愛称で知られるフォルクスワーゲンの大衆車。
いずれもナチス時代に建設や開発が進められました。公共事業や政府主導の産業政策で働く場が増え景気も上がったのでナチスは勢力を確立できました。
安倍政権も同様の道のりを目指している感じがします。ただ、戦争に突っ込むのは、阻止しなければなりません。国土を破壊するような公共事業も同様です。
巨額な税金をしかも借金で調達しようというのです。だとしたらこれから100年、200年後の子孫に喜ばれる事業を最優先すべきです。
現状は、首都直下型の地震対応など防災を金科玉条にしています。これは確かに緊急課題ですが、もっと基本の分野があります。治山治水です。
少なくとも日本に109ある一級河川を流域単位で見直して治山治水セットにして管理のあり方考え直す時期に直面しています。
山林の荒廃が急速に進んでいるのにこれ以上放置はできません。林業の振興と合わせて日本の山をどうすれば維持できるのか本気で取り組む必要があります。
国土強靭化と言うのならば国土保全の基本となる山の実態を国民運動で伝えるべきです。高速道路を造っても山ごと崩れてしまえば元の木阿弥です。
200兆円つぎ込むのならば目先の利益ばかりを考えるのではなく根本に立ち返って国土の保全に取り組まなければバチが当たります。