自由と民主主義の”要塞国家”台湾との自治体交流

アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問し蔡英文総統と会談しました。

アメリカで第3位の要職にある下院議長の訪台は25年ぶりのことだということです。

台湾は中国と一体不可分の領土であることを核心的利益とする中国は猛反発です。

中国の国力は25年前とは段違いです。3期目をめざす習近平主席の秋の党大会も迫ってます。

米中対立が新たな局面に入ったことは間違いありません。緊張関係の常態化です。

ペロシ議長の訪台計画が事前に流れた時点で訪台断行は間違いないと思いました。

意図的にメディアにリークしたかどうかはやぶの中ですが表面化して止めたら笑いものです。

アメリカは中国に気兼ねして取り止めたとなると日本や韓国も疑心が生じます。

1971年のニクソン訪中の際のはしごを外す国との悪夢がよみがえります。

ペロシ議長の訪台により緊張が一段階高まり台湾有事を含めた検討が必須となりました。

この状態は止む気配はありません。中国共産党が考え方を改めない限り続きます。

偉大なる中国の復権を掲げる習近平政権が方針転換はあり得ません。

台湾の置かれた状況は自由と民主主義を守る”要塞国家”の様相を強めています。

世界は民主主義的な体制を持つ国と権威主義的な体制国との2極化が進んでます。

この分断を象徴する地域が台湾海峡ということになりますが日本の軸足は明らかです。

自由と民主主義国の立場を堅持し中台関係の安定化に向けて行動することです。

国家とし行動するのは厳格な制約があります。ひとつの中国の立場を認めているからです。

中国と断交しない限り日中平和友好条約は有効です。踏みにじることはできません。

台湾を国家として認めるような行動をとった場合は中国は猛然と圧力をかけてくるでしょう。

しかし一方で中台関係を平和裏に解決することを期待するという大義名分があります。

国家として動ける余地はあります。台湾の国際機関への参加を後押しするなどです。

新型コロナ対応に当たる世界保健機関への参画支援はその典型です。

国家より自由に振る舞えるのが地方自治体です。地方自治体と台湾との交流を期待します。

柱となるべきは言うまでもなく沖縄です。与那国島と台湾は目と鼻の先です。

地方自治の範囲内で台湾との交流を深めることは自由と民主主義を重んじる基本に適ってます。

日本と台湾との地方自治体同士の交流によって日本として得るものは大きいです。

中国の圧力に負けず自由と民主主義を守る気概を肌で感じ取ることができます。

現代日本に欠けている精神です。台湾は自由と民主主義の学校と言えます。

 

 

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