”決断する男”岸田総理第2幕

良い方に受け止めれば聴く耳を持つ悪い方に捉えれば優柔不断。

人物月旦で評価が分かれるところです。岸田総理はまさにそうした政治家です。

昨今このような一般的な見方を覆し決断する政治家のイメージを前面に出してます。

安倍元総理の国葬決断は電光石火の早業でした。同一人物とは思えないほどでした。

慣れないことをする時は落とし穴があるものです。反対の声が広がりました。

岸田総理の予想を超えていると思います。即断即決は凶と出てしまいました。

慎重さを取り戻すかと思いきや決断する政治家岸田総理は突き進みます。

今月10日にも党役員及び内閣人事を断行すると伝えられました。

安倍元総理の喪が明けた後に人事は行うというのが一般的な見方です。

ひと月早まりました。驚くべき速断と受け止める方が多いと思います。

2度目の賭けが1度目とは違って思惑通り行くかは予断を許しません。

麻生副総裁、茂木幹事長、松野官房長官、林外務大臣は留任と伝えられます。

内外ともに激動期ですので骨格を残し安定さを重視するのは順当な考え方です。

逆に人事を早めたからといって目新しさを打ち出すことにはなりません。

低下傾向にある内閣支持率を上向きに反転させようとの思惑は当然あるでしょう。

骨格維持と一新イメージは矛盾します。岸田総理としては悩ましいところです。

野次馬的興味を引くのは強いてあげれば高市早苗政調会長の扱いでしょうか。

安倍元総理という強力な後ろ盾を失った高市さんを重要ポストに抱える義理はなくなりました。

BA5の感染拡大が続く中での人事ですので関連ポストはいじれません。

警護を担当する国家公安委員長や食糧自給率の向上が課題の農水大臣は重要ですが地味です。

岸防衛大臣は体調の問題から交代とされていますが激動する国際情勢の中で玄人が座ります。

目を見張るような人事ができる状況ではないのに無理して急いだ感が否めません。

岸田内閣の足元をじわりと蝕むのが旧統一教会問題です。前川喜平証言が衝撃です。

元文科事務次官が下村博文元文科大臣が旧統一教会の名称変更に絡んでいたと断言しました。

旧統一教会は多額の寄付などが社会問題化したのち名称変更が課題となってました。

大臣が文科省の判断を改めさせて名称変更を後押ししたなら看過できません。

国家機関が旧統一教会の行動を容認したかのように受け止められるからです。

人事を早めたところで野党の追及が弱まるはずはなくむしろ手ぐすねをひくでしょう。

問題が深刻化してしまい早めたことがあだになることは大いにあり得ます。

岸田総理に”即断”は似合いません。聴く耳を活かすことが政局の安定につながります。