人事でわかる岸田総理の胆力

岸田総理が党役員、内閣人事にJ向け自ら調整を進めていると報じられてます。

およそひと月の人事前倒しのため調整期間は極めて限られています。

萩生田経産大臣が記者会見で興味深い発言をしました。続投希望を公然と明らかにしました。

言い方がふるってます。「俺は骨格じゃなかったのか。」と言ってのけたというのです。

岸田総理が内閣の骨格を維持するとした中で自分の名前がなかったことを指摘しました。

安倍元総理の最側近の萩生田大臣、後ろ盾がなくなった後の振る舞いを注目してました。

「人が代わって大丈夫なのか」とまで言っています。あからさまな続投要求です。

ただし「最後は総理の判断に委ねたい」と述べてます。完全に開き直ってはいません。

総理に絶対的な権限がある人事をめぐりこうした発言をすることは異例中の異例です。

萩生田大臣が安倍元総理の威光を背に何を言っても許されると思い込んでいる可能性もあります。

岸田総理の言動から推測すると経産大臣から外したいのだと推測します。

重要ポストにという言い方が微妙です。遠ざけたいのが本音だと思います。

党運営で障害となっている高市政調会長の処遇と絡むと私は見てます。

高市政調会長は安倍派から離脱して安倍元総理の個人的な寵愛を受けていました。

総裁選挙での善戦は安倍元総理の支援無くしてはありえない事件でした。

安倍元総理がいなくなったことで糸の切れた凧状態に陥りました。

党内的には嫉妬ややっかみもあり支える人はもはや少ないでしょう。

岸田総理は降ろせると判断していると思います。その場合は萩生田経産大臣が後任です。

今回の人事は岸田総理の胆力を見極めるのに最適な政治イベントだといえます。

人事権者が当事者から異論があったからといって変更するようでは話しになりません。

人事を前倒しにして一新するイメージを打ち出そうと決断したのに揺らげば足元を見られます。

萩生田大臣を経産大臣から政調会長に据え高市政調会長を切れれば人事権者らしい腕力発揮です。

高市政調会長を外すと自民党を支持するタカ派勢力からの反撃が考えられます。

無役となった高市政調会長は保守論客として岸田総理の政策に意を唱えるでしょう。

防衛費問題が焦点となるでしょう。タカ派の雑誌を舞台に派手な論戦を仕掛けてくると思います。

岸田総理が腰を据えて人事に取り組む姿勢だったなら状況を見極めることは可能でした。

早める決断を下したのは岸田総理です。自らの人事案を貫くしかありません。

岸田総理にとっては不慣れな決断の連続です。胆力が問われる展開となりました。