参議院議員、山本太郎さんの天皇への直訴を考える。

開成町長に就任した1998年の10月に神奈川県で国体がありました。天皇、皇后両陛下が開成町の福祉会館で食事休憩を取られました。

箱根宮の下の富士屋ホテルから調理人が来てまつたけなどを素材に料理を作りました。私も食事の席に同席させていただきました。

右隣が天皇陛下、向かって斜め右が皇后陛下でした。開成町があじさいの町で美しい田園風景を残していると一生懸命説明させていただきました。

天皇、皇后両陛下にこやかに応対して下さいました。本当に心地よい緊張感でした。今も忘れられません。日本国の象徴、権威であると実感しました。

もし、こうした席で突如自らの信条をしたためた私信を天皇に差し出したとしたら場違いですし、誰しもが違和感を感じることでしょう。

それでも敢えて断行するとしたら相当の覚悟が要ります。しかし、山本さんはこんな騒ぎになるとは思わなかったと釈明したと伝えられています。

これにはたまげました。軽はずみで常識はずれだと思わざるを得ません。政治的立場を超えて大方の日本人が同様の思いを持つのではないでしょうか。

山本さんとは一度1時間ほど脱原発派の結集について意見を交わしたことがあります。脱原発にかける純粋な情熱は十分に伝わってきました。

しかし、純粋ならば許されるのかという疑問が生じるのは当然です。既に、山本さんは現職の参議院議員です。純粋さだけでは説明がつきません。

場をわきまえない行動だというそしりは受け止めなければならないのは当然です。渦巻く批判にひたすら耐え、しのぐしかないと思います。