新冷戦から第3次世界大戦へ?

16日都内でウクライナ人の国際政治学者グレンコ・アンドリーさんの講演会がありました。

キーウ大学を卒業後早稲田大がきゃ京都大学で学び『プーチン幻想』などの著書があります。

最新刊は『ロシアのウクライナ侵略で問われる日本の覚悟』です。

知人より紹介いただいたので聴きに行ってきました。確信に満ちた話しぶりでした。

子どもの頃より父からずっと聞かされてきたことと共通性がありました。

父は何度も紹介しているように元軍人で第2次大戦末期にソビエト軍と激闘を繰り広げました。

シベリア抑留も体験しスターリン時代のそびえたの対する怨念は骨の髄まで染みています。

「ソビエトの言うことなど信じてはいけない。都合の良いことだけを言っているだけだ。」

「共産主義が裏でやったことを知らないから共産主義を良く言うんだ。」

数え挙げればきりがありません。グレンコさんも不信感の塊でした。

ロシア国家の発想は自由民主主義国にいる人は理解できないと断言してました。

常識では考えられないことでも平然と行う国であることに本質があるからです。

どんなに犠牲を払ってでもやると決めたことはとことんやり抜きます。

ロシアにとってウクライナという国は存在しないに等しいのです。

本来は自分の国の配下にある地域に過ぎないと見なしているからです。

この論理からすればアメリカなどの国々に自分の庭を犯されていることになります。

自分の事実上の領土から西側の影響力を排除するために攻め込んで何が悪いとなります。

ロシアの多くの国民はこの論理を支持しています。プーチン大統領は突出してません。

互いの意地がぶつかり合ってしまった以上そう簡単には戦争は終わりません。

経済制裁はロシアを弱めることはあっても戦争を止める理由にはなりません。

自らの論理の正しさは微動だにしてません。犠牲は厭わないですから当然です。

止めるのは力しかありません。グレンコさんは西側からの武器援助が決め手と言ってました。

力でねじ伏せられて初めてロシアは止まります。それしかないというのです。

会場からプーチンのやり方に反対する勢力もあるのではないかと質問が出ました。

グレンコさんはそうした勢力は常に少数派であって大勢にはならないと述べてました。

エスカレーションすると核使用もあり得るのではないかという質問も出ました。

あり得ると答えました。核の脅しに屈せず対抗しないと打開はできないという考えでした。

ロシアに対する見方は同意するところが多いもののただならぬ国際政治状況に戦慄します。

新冷戦は一気に第3次世界大戦へと向かう危険性を感じつつ帰路に着きました。