教育岩盤を壊す

日本経済新聞で「教育岩盤」という特集記事が不定期に掲載されています。

変化に臆病な日本の教育界の現状を紹介し改革への問題提起を続けています。

25日には映画「ビリギャル」のモデルとなった小林さやかさんが登場してました。

高校時代びりだった成績から脱却できたのは理解してくれる大人の存在の大きさを語ってました。

24日は大学入学共通テストの実施時期を12月に早めたらどうかとの記事でした。

私立大学は文系理系偏った入試なので幅広い視野を持つ学生を選びにくいとのことです。

共通テストの活用がいちばん良いのですが1月実施では間に合いません。

実施時期を早めて知り撃つ大学も活用できるようにしようというのが提案でした。

教育をめぐる議論は常に百花繚乱状態となります。関係者が多すぎるのです。

十分な議論なしに強行しようとすると混乱が起きてとん挫します。

一昨年新型コロナのまん延を受けて大学の9月入学論議が巻き起こりました。

東京都の小池都知事や大阪府の吉村知事が積極的な姿勢を示し話題となりました。

国際的には9月入学が一般的だとして大学の国際化を図りやすいとされました。

ただし高校は3月で卒業ですので9月入学と言われても改革は難しく立ち消えとなりました。

実施するならば幼児教育段階から全て9月入学で揃えれば可能です。

私立大学の系列校ならば実施しようとすればできます。特色ともなります。

教育岩盤シリーズの中でも玉川大学が検討していると報じられました。

私自身、教育岩盤に跳ね返された経験があります。小学校の制度改革についてでした。

私が町長を務めた神奈川県開成町は子どもの数が着実に増え新小学校の建設が課題でした。

私は既存の小学校を低学年小学校、新設の小学校を高学年小学校にする案を出しました。

低学年のうちは体験学習を盛んに取り入れて感性を育む教育を重視します。

高学年になったらより高度の専門的な教育を取り入れようとしたのでした。

保護者から猛反発を受け断念せざるを得ませんでした。理想を追い過ぎました。

神奈川大学の大竹弘和教授が『学校というハコモノが日本を救う』を出しました。

学校という施設の活用が効率的でないという視点からの改革案です。

民間企業のノウハウを導入して様々な補習授業が展開可能だと主張しています。

学校には広いグランドもあるし体育館も音楽室も調理室も揃ってます。

児童生徒がいない時間帯は空いていることになります。無駄と言えば無駄です。

学校は教育委員会の聖域です。理解を得て改革が進められるかです。

教育岩盤を壊す格好のテストケースのように思います。どこかでモデル的な実践が必要です。

 

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