関東大震災から99年
今日9月1日は防災の日です。関東大震災から99年となりました。
足柄の歴史再発見クラブは郷土の災害の歴史を振り返り防災に貢献することを目指してます。
現在力を入れているのは地域に残る関東大震災の震災遺跡を辿る活動です。
大震災から100年の来年9月にシンポジウムを開催することにしています。
催しをすることが目的ではありません。防災意識の向上に役立てようと考えてます。
大震災遺跡は埋もれてしまっているものも数多いです。もう一度光を当て直します。
記憶に残るようにと先人が刻んだ石碑がどこにあるのかわからないようでは困ります。
地震学者の寺田寅彦の「災害は忘れた頃にやって来る」との警句が思い出されます。
クラブのメンバーで筑波大学元教授の西本晴男さんが丹念に掘り起こしてます。
9月25日には西本さんの案内で小田原市根府川と真鶴町の大震災遺跡を辿るツアーを行います。
ご関心あれば是非ご参加ください。申し込みは関口まで。yasihiro58157@watch.ocn.ne.jp
クラブでは山北町や南足柄市、松田町や大井町などの遺跡を順次視察することにしてます。
来年9月の100周年記念シンポジウムで中間報告することになると思います。
1707年の富士山の大噴火とその後の洪水により神奈川県西部地域は大被害を受けました。
幕府の命で堤防の修復工事を行った田中丘隅は工事後様々な工夫を凝らしました。
祠と石碑を建立しました。祠は今日まで続く福澤神社となっています。
石碑は境内に建立されています。修復工事から2026年でちょうど300年となります。
田中は毎年祭りを行うよう村人に求めました。大災害を忘れないようにするためです。
祭りに石を持ち寄らせ土手を踏み固めたと言われます。樹木も植えさせました。
まっすぐ根が伸びる樹木は土手を強固にします。災害を忘れない工夫が散りばめられてます。
特筆すべきはこの祭りが今でも行われていることです。田中の意志は受け継がれています。
関東大震災は富士山の噴火以上に広範囲にわたる大災害でした。
各地域それぞれが震災遺跡を大切にし記憶を常に呼び覚ます工夫をする必要があります。
関東大震災は大火災を起こしそれが被害の過半を占めると思いがちです。
東京の下町や横浜などの都市部はそうでした。山間地は火災ではなく土砂崩れが襲いました。
地域ごとに被害の様相は異なるのです。地域ごとに記録を辿る必要があるゆえんです。
そうしないと地域の実態に合わない誤った備えをしてしまう可能性があるからです。
関東大震災から100年は地域に根差した震災記憶を呼び覚ます格好な機会です。