西田哲学で岸田総理国葬決断を解明する

日本独自の哲学体系を築いた西田幾多郎の哲学。象徴的な言葉があります。

「絶対矛盾の自己同一」です。西田哲学を学ぼうとする者をたじろがせる威厳があります。

禅に由来します。絶対的に矛盾するものを直観など別次元からの思考で乗り越えます。

西田哲学で安倍元総理の国葬問題を考えてみます。この問題には絶対矛盾が横たわるからです。

安倍元総理の国葬を即断即決した岸田総理を悩ましているのは旧統一教会問題です。

自民党として背を向けることができず党内調査を始め発表せざるを得なくなりました。

引き金は安倍元総理を銃殺した犯人が旧統一教会にうらみをもっていたことです。

旧統一教会はかねてより献金や高額な商品の購入強要が取りざたされていました。

安倍銃殺事件によって再び協会の闇が暴かれ明るみにさらけ出された格好です。

ターゲットとなってしまった安倍元総理は非業の死を遂げました。

一方で旧統一教会と自民党とをつなぐかなめの役割を果たしていたと見られます。

秘書だった井上義行参院議員が協会の支援を背景に当選したことがひとつの象徴です。

安倍元総理は「自由で開かれたインド太平洋」という地政学的な構想を提唱しました。

日本外交の新たな地平を切り開いた政治家として高い評価が定着しています。

旧統一教会との関係と外交的評価、このふたつの事象が真っ向から対立してます。

これは安倍元総理の評価をめぐる絶対矛盾の最たるものだと思います。

旧統一教会問題のほかにも財務省職員に自殺者を出した森友問題があります。

これも安倍元総理の評価を貶める事件簿で絶対矛盾の一翼をなします。

西田哲学によれば絶対矛盾は直感などの非合理で解消することになってます。

岸田総理は間違いなく西田哲学が哲学的に分析したこの境地に入ってしまいました。

「入った」というより「はまった」といい換えた方が良いと思います。

西田哲学は非合理の世界と親和性がありますので常に間違った思い込みの危険性が潜みます。

岸田総理は国葬で行けると直感で閃いてしまったしか考えられません。

ただし銃殺当初の国民の反応から政権浮上につながるとの私欲が根っこにありました。

麻生副総裁の助言に従ったという話もありますがそうであっても速断したのは本人です。

公平無私な態度ではなく私欲に基づく直観が禍となって自分にはね返ってきました。

岸田総理は丁寧に説明すると釈明していますが無理です。直観は解説できません。

一連の経緯を説明すればすればするほど無理が生じ反対論に火に油を注ぎます。

今日国会で閉会中審査が行われます。岸田政権への逆風は強まると見ています。