町づくり会社の時代がやってきた。
行政は、リスクを負いたがりません。どこもかしこも財政難ですので尚更そうです。仮に手がけても、いわゆる殿様商売になりがちです。
一方、民間企業は、儲けることがなにより大切です。大手百貨店の食品偽装に見られるように儲けのためにはなんでもありの危険性がつきまといます。
行政と民間企業とのあいだの溝を埋める企業体が必要です。かつて第三セクターと言われる公社が林立しました。しかし、上手く行きませんでした。
天下りの役人がトップに座り、失敗しても税金で補填してもらえるという期待感、親方日の丸意識から抜け出ることができなかったからだと思います。
小泉純一総政権の時に行政も民間企業並の経営感覚を持つ必要があるという考え方が取り入れられました。指定管理者制度が導入されました。
イマイチです。理由は、ただ既存の事業の経費を削減すれば良いという発想だからです。社会や住民にとって必要な新たな事業を起こす感覚が欠けています。
民間企業並みの経営感覚と同時に公益性をきちんと見渡して事業を起こすことが今の時代大切です。いわゆる町づくり会社の設立が求められています。
神奈川県西部では小田原市が先頭を走っています。77人が2380万円を出資し「まち元気小田原」という会社がいち早く立ち上がっています。
商工会議所のメンバーの勉強会が母体だということです。地域の立て直しが定款でうたわれています。商店街の衰退を食い止める事業を起こそうとしています。
しかし活発に動き街に刺激を与えているかというとそんな印象はありません。行政が思い切って仕事を町づくり会社に委ねないことが原因だと思います。
町づくり会社に収益をある程度保証する事業を一括して委託し財政基盤を整えさせることがまず必要です。それができて初めて新たな事業へ投資ができます。
小田原市ぐらいの規模になれば駐車場の経営とか収益事業はあります。そこを土台にして例えば再生を目指している地下街の運営に事業展開が可能です。
小田原の町づくり会社の事例を見させてもらい足柄地域でも立ち上げる必要があると確信しました。町づくり会社がやるべき事業は転がってます。
コメ農業が減反政策の見直しで激変の時代を迎えます。足柄平野の農地の荒廃を防ぐために観光と連携して農業の振興を行う必要があります。
行政任せでは後手に回ります。民間の発想で農業と観光を大胆に結びつける仕事をする企業体が求められています。まち元気あしがらを創らないと間に合いません。