沖縄県知事選挙後の政局展望

普天間基地の名護市辺野古への移設などを争点とした沖縄県知事選挙で自民が敗北しました。

選挙は、事実上前回と同じ顔合わせで玉城知事と佐喜眞前宜野湾市長の一騎打ちでした。

得票は玉木知事が339767票、佐喜眞さんが274844票で差は64923票です。

4年前の選挙では両者の差は80174票です。今回の方が競っていました。

意外でした。第三の候補の下地幹夫さんが佐喜眞さんの票の方を食うと見ていたからです。

下地さんは元々は保守系の前衆議院議員で知名度があり影響が注目されました。

玉城さんは5万7千弱、佐喜眞さんは4万2千弱前回より減らしました。

投票率が5.32%下がったことを加味しても下地さんは双方から得票を得た結果です。

私は下地さんの出馬は佐喜眞さんへの影響が強いと見てましたので見誤りました。

佐喜眞さんが予想したほど下地さんの影響を受けなかったとすれば敗因は別にあります。

旧統一教会問題や安倍元総理の国葬に対する国民の反発が影響したのだと思います。

岸田政権にとって沖縄県知事選挙穂敗北は二重の意味で厳しい結果です。

直接的な影響は普天間基地の辺野古移設に対する沖縄県の反発が強まることです。

新基地建設予定地に軟弱地盤が発見され工事費がかさむこともあり難問です。

お得意のフレーズ「丁寧な説明を続ける。」を駆使して実際は押し切るしかありません。

沖縄県民を刺激します。妥協点は容易に見いだせそうにありません。

中国の海洋進出に伴う脅威が増す中で好ましい状況ではありません。

もうひとつは旧統一教会問題への国民の反発の根深さを伺わせたことです。

これから続く地方選挙にもジワリと波及していくことが考えられます。

来年4月の統一地方選挙は自民党にとって逆風の中で迎えることになると思います。

自民党は地方議員と統一教会との関係の調査はしてません。マスコミに暴かれると思います。

統一地方選挙の争点のひとつに旧統一教会との関係が浮上するのは間違いありません。

関係のある自民党議員だけでなく自民党全体への風当たりが強まります。

統一地方選挙で敗れても直ちに国政に影響は出ないとはいえ無視はできません。

7月の参議院選挙に勝利した直後は黄金の3年間を迎えるとされたのがウソのようです。

岸田政権は支持率低迷が続き不人気な内閣の汚名から抜け出せそうにありません。

国民の支持を取り戻すには安倍元総理と旧統一教会との関係を明らかにし決別することです。

しかし禁断の一手です。安倍派や保守派の支持を失い政権基盤を崩壊させるからです。

岸田政権、前途多難です。2024年9月までの任期を全うできるかさえ微妙です。

 

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