なし崩しの原発推進に抗議する

2050年温室効果ガス排出ゼロが金科玉条になりかこつけてよからぬたくらみが進行してます。

なし崩し的な原発再稼働です。それに新設の原発の研究も動き出そうとしてます。

政府の「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」が先月会合を開きました。

西村経産大臣は、官民で再稼働の加速を図るべく今秋にも対応策をまとめると述べました。

二酸化炭素を出さない原発はクリーンなエネルギーだとの大前提で議論が進んでしまってます。

これに加えて電力の需給ひっ迫があります。火力発電を動かし急場しのぎをしました。

設備が古く安定的な稼働でないと非効率ですしそもそも二酸化炭素が出ます。

更に加えてロシアのウクライナへの軍事侵攻が強烈なインパクトとなりました。

ロシアは資源国であることを最大の強みにしていて消費国をいわば脅しています。

エネルギー価格の高騰で経済制裁をかける西側諸国の足並みが乱れるのを狙ってます。

原発は原料のウランは石油や天然ガスと違ってロシアに依存してません。

やはり原発が切り札だという流れになりそうですがとんでもない思い違いです。

原発には核のゴミの処理という難題は未解決のまま見切り発車の技術です。

青森県六ケ所村の再処理工場はまたもや稼働時期が延期されめどさえ示されていません。

延期が26回目という回数の多さをみればいかに技術的に困難かが一目瞭然です。

使用済み核燃料を再処理して再び活用するサイクルはもはや破綻しているとの意見も強いです。

しがみついているのはこの大前提が崩れると原子力政策全体が崩壊するからだと思います。

再処理工場は核のゴミ問題の解決ではありません。プルトニウムを抽出した後のごみがあります。

原発は不完全な技術だという厳然たる事実から目を逸らすことは不誠実です。

二酸化炭素を出さないから核のゴミの山を作って良いことにはつながりません。

電力需給のひっ迫を回避するための最小限度の再稼働にとどめるのが本来です。

福島第1原発の汚染処理水の海洋投棄も止む得ない措置として初めて許容されるものです。

積極的に推進されるべき施策ではありません。必要悪として許されるものです。

日本はエネルギー小国という自立の制約をいかにして無くしていくか問われてます。

福島の経験はいったん原発事故が起これば取り返しがつかないことが明らかにしました。

事故の発生国がこの事実をいち早く忘れるような行動をとることは許されません。

安全でなおかつ環境に負荷をかけないエネルギー開発に賭けるしかほかに手がありません。

原発から卒業し省エネと自然エネルギーの活用で戦略を組むことが最善です。