森林ボートの集い

3連休最初の土曜日東京新宿のレストランで「森林ボートの集い」がありました。

森林ボートなどと聞くと山の中の湖畔でボートをこぐ話しかと勘違いしそうです。

東京大学ボート部のOBらが日本の林業や森林保全について語る集いです。

東大ボート部OBに知人がいて会合に潜り込ませてもらいました。

東大ボート部のOBに森林保全の第一人者の酒井秀夫さんがいることから始まった催しです。

酒井さんは東大農学部の名誉教授で日本木質バイオマスエネルギー協会の会長です。

森林をテーマにするのは4回目で、これまではボートの話題に傾きがちだったとのことです。

8日の会合は異なりました。日本の森林保全から木材の自給問題まで真剣でした。

酒井さんの説明によると国土面積に占める人工林の面積の割合は日本がトップとのことです。

日本の国土面積の28.3%が人工林です。スウェーデンが21.4%、ドイツが15.4%です。

人工林そのものの面積は中国が4500万ヘクタール次いでインドが3300ヘクタールです。

ロシアが1700万ヘクタール、日本は第4位で1100万ヘクタールです。

日本の森林は増殖してます。人工林も自然林もともに増えています。

2000年前後5400立米だったのが2010年前後には7500万立米に増えています。

日本は森林大国で特に人工林は伐期を迎えもっと利用されるのを待っているのです。

1ヘクタール当たりの木材の生産量がいちばん多いのはドイツで4.9立米です。

日本は1.1立米ですので5分の一の利用と評価できます。改善が必要です。

森林資源はあるのに林業に従事する人材が少なく生産性も低いです。

スウェーデンは日本の半分の林業従事者で倍以上の生産性を誇っています。

ヨーロッパでは他地域からの出稼ぎ労働者によって林業が支えられているとのことです。

木材価格の低迷も森林活用が伸びない理由です。1980年で立木価格立米辺り2万3千円。

現在は2500円程度で推移してますので10分の一近く価格が下がりました。

大手建築メーカーや大手商社勤務のメンバーの方より最新の度横行も補足説明がありました。

輸入木材価格の急上昇の最大の要因はアメリカの住宅建設需要の高まりだとのことです。

円安やロシアによるウクライナ軍事侵攻が重なり価格を押し上げているとのことでした。

結論は日本の林業や森林は可能性を十二分に秘めているのに活かせていないとのことでした。

ベンチャーが林業に挑戦できるような制度設計が不可欠だということになりました。

山林を抱える市町村の出番だと思います。山林の保全を越えて活用の道を探るべきです。