グローカル時代の町のシンボル、瀬戸屋敷

開成町の町のランドマークは背高のっぽのビルではありません。

日本人なら誰でも懐かしさを覚える田園地帯に立つ古民家瀬戸屋敷です。

1800坪のお屋敷にかやぶき屋根の母屋と渡り廊下でつながる土蔵が建ってます。

開成町が誕生して50年の節目の事業として2005年に開園しました。

初代館長の川澄暹(のぼる)さんは「みんなのわが家」と名付けました。

観光客も町民も一緒にほっとするひと時を過ごしてもらうことを目指しました。

瀬戸屋敷という名前からわかるように小田原地域を代表する農家の瀬戸家のお屋敷でした。

江戸時代中期から300年以上続く歴史があります。ランドマークとして最上の建物です。

威容を誇るのではなくかやぶきの屋敷が持つ雰囲気が売りです。

最近瀬戸屋敷を訪れる観光客にちょっとした異変が起きています。

外国人観光客が増えています。小型バスで来られる小規模ツアー客です。

おもてなしは町民のボランティア団体やNPOが担当してます。

地元の食材を使った料理は人気だと聞きました。外国人も日本の田舎の風情が味合えます。

瀬戸屋敷の関係者からこの話を伺って屋敷を再生して本当に良かったと思いました。

瀬戸屋敷を再生させることは新しい文化を創造する場となるのが本当の狙いでした。

新しい文化は異質の文化同士が触れ合うことで生まれます。屋敷がその場を提供するのです。

瀬戸屋敷の再生は神奈川県知事だった岡崎洋さんの協力がなければ不可能でした。

岡崎さんは都市と農村の交流拠点と位置付け農林水産省からの補助金を仲立ちしてくれました。

都市部の観光客が田舎の文化に触れ新しい文化の種をまいてくれることを期待しました。

その流れが拡大して外国人との交流となると更に可能性は広がります。

グローバル社会に通用する新しい文化が開成から発信できそうな気分になります。

瀬戸屋敷は2015年から指定管理者制度を導入して民間企業が運営しています。

民間企業のセンスで屋敷全体がおしゃれな雰囲気を漂わせるようになりました。

外国人観光客にもセンスの良さを感じてもらえるようなレベルに近づいてます。

民間企業らしく新しいことに挑戦する姿勢を持って磨いてほしいです。

おもてなしに町民がもっと参加できるよう工夫が必要だと思います。

こちらは町役場の仕事です。民間企業に丸投げでは無責任です。

行政と民間が役割分担をして外国人も含めたみんなのわが家に育てて欲しいです。

瀬戸屋敷はグローバル時代の地域に根差したシンボル、グローカル時代を象徴する建物です。

開成町の小さくてもキラリ路線は新たな段階に入ったと確信しました。