オリックス中嶋監督の忍耐力と信頼力

オリックス26年ぶりの日本一。今年のプロ野球日本シリーズは見ごたえありました。

イチローさんが在籍した1996年以来。当時の球団名は阪急です。懐かしいです。

1995年1月17日阪神淡路大震災が発生しました。この年に阪急はリーグ優勝しました。

翌年念願の日本一となった訳です。被災者を大いに勇気づける勝利だったはずです。

2013年シーズンで田中将大投手を擁し日本一になった楽天と情景が重なります。

2011年の東日本大震災は阪神淡路大震災をはるかに上回る大災害でした。

楽天の本拠地仙台も大きな被害を受けました。そこに初の日本一の知らせです。

日本一になる最後のマウンドは田中投手でした。勝利の雄たけびは目に焼き付いてます。

被災地の皆さんに困難に負けない勇気を奮い立たせました。スポーツの力です。

今年の日本シリーズは日本中を沸かせるような時代状況はありません。

しかし地味ながらも教訓満載のシリーズのように思えてなりません。

私が一番感心したのはオリックスの中嶋監督の我慢する力でした。

絶対エースの山本由伸投手が初戦でまさかの負傷です。慌てて当たり前です。

このアクシデントから多彩な投手起用で最後は勝利に導いたのですから脱帽です。

中嶋監督のすごさを一番感じたのは第2戦です。5時間の熱戦の末引き分けでした。

9回裏のことです。3点リードして勝利をもぎ取ったと誰しも思ったはずです。

ヤクルトのシリーズ初出場の内山壮真選手が同点3ランを放ち振り出しに戻しました。

中嶋監督は打たれた阿部翔太投手をそのまま続投させる判断をしました。

阿部投手は3冠王の村上宗隆選手らを抑えて追加点を許しませんでした。

即座に降板させていれば阿部投手はひどく落胆し後に引きづったはずです。

阿部投手は開き直り強打者連を抑えました。自信もつけてマウンドを去りました。

中嶋監督の采配の妙を見せつけられた思いです。忍耐力と配慮です。

普通ならば同点にされて頭に血が上り即座に投手交代となるところです。

中嶋監督には興奮した様子は一切伺えませんでした。冷静に身動き一つしませんでした。

この中嶋監督の態度が阿部投手の開き直りを呼んだと私は思います。

阿部投手の心に信頼されているとの思いが伝播し勇気が湧いたと想像します。

一瞬の出来事ですが中嶋監督率いるオリックスというチームのすごさを感じました。

こういうチームは逆境に強みを発揮します。2敗1分けの後4連勝です。

日本は国際情勢が激変する中で国力が衰退し先行き明るい展望を持てません。

リーダーは中嶋監督のような耐える力と信頼する力を持ち国民を喚起させることが大切です。

 

 

 

 

 

 

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