跡地活用に苦しむ神奈川県西部

地域経済が停滞している地域の悩みは企業などの撤退後の跡地活用です。

全国共通の課題だと思います。神奈川県西部地域も同様で苦しんでいます。

南足柄市を代表する企業のアサヒビールの操業停止の期限が来年1月に迫っています。

41ヘクタールに及ぶ広大な工場用地の跡地利用は一筋縄ではいきません。

加藤修平市長はアサヒビールに委ねる姿勢のようで表立っての動きは見えません。

南足柄市の存亡にかかわる課題だけに市長の獅子奮迅の行動が求められるところです。

手間取るようならば来年4月の市長選挙の大きなテーマとなるのは確実です。

この地域にはもうひとつ大きな難題が残っています。旧第一生命の跡地です。

コーヒーネット販売のブルックスが20数億という破格の安値で買い取り所有しています。

神奈川県の黒岩知事の未病政策に乗って未病の拠点として位置づけ利用しています。

地上18階建ての巨大なビルや敷地のごく一部の利活用に過ぎず大半は未利用のままです。

固定資産税などの固定経費だけでも数億に達すると思われますので重荷のはずです。

富士山を望む絶景のロケーションですが難点があります。活断層が走っています。

第一生命は災害上のリスクを考慮して駆け足で都心に回帰したと思います。

大手企業は誘致する時には様々な有利な条件を付けなければなりません。

一方、企業のメリットがないと見るや一目散に逃げだします。勝手な行動に見えます。

これも経済原理と見るしかありませんが跡地の利用は難題として残ります。

この規模の再開発となると日本企業の現状ではなかなか手が出ません。

視野を海外に広げて投資先を探るしかありません。トップセールスの出番です。

地元大井町では荷が重いならば県や国を巻き込んで行動すべき時期だと思います。

県西地域の中心都市の小田原では関東学院の跡地問題が残ってます。

2020年5月に小田原市は記者会見して新大学の誘致構想を打ち上げました。

デジタルを中心とした理系の単科大学で教員は海外からも招くと華々しかったです。

具体化が進みません。守屋輝彦市長にとっては前市長の置き土産ですが無視はできません。

大学の都心回帰は頭が痛い問題です。湘南地域の平塚市でも神奈川大学の撤退が表面化しました。

大学キャンパスは広大な敷地を有し学校設備もあるため跡地利用が簡単ではありません。

少なくとも県レベル、可能なら国策に沿った形で民間投資を誘導しないと難しいです。

地元首長が固定資産税だけは入るとの後ろ向きの姿勢に終始すると事態の打開は困難です。

ここが腕の見せ所だと捉え官民共同で開発を進める行動力が求められます。