習近平超独裁体制への処方せん

習近平主席が先月の中国共産党20回大会で3期目に突入しました。

3年ほど前の話しですが親中派の学者がふざけた見通しを立てていました。

権力集中を避けるため2期10年という慣例が確立したのだから堅持されると言ってました。

完ぺきな見込み違いです。中国にべったりだとこうした見誤りをする事例の典型です。

3期目に突入した習近平体制の今後の目標について様々な見解が示されています。

日経新聞の特集記事の中で納得できる見解が示されていました。

慶応大学の加茂具樹教授によるものです。歴史的な転換点を迎えたとの見方です。

改革開放で経済発展を目指した経済の時代から政治の時代への転換です。

政治の時代というからには権力を集中し内外の諸情勢に対応するというものです。

経済の時代は欧米諸国と連携を保ち資本や技術の導入を積極的に進めるのが基本路線です。

経済発展という所期の目的を概ね達成した現段階では次のステージへと進みます。

こうした情勢の変化を背景に習近平主席への権力の集中がありました。

掲げる目標が「中華民族の偉大なる復興」へと政治的色彩が強まりました。

世界戦略は「一帯一路」となって世界で影響力を増大させるものとなりました。

現段階ではアメリカと肩を並べ世界を二分するとまでは言い切る国力はありません。

あからさまな表現は控え「社会主義現代化強国」を目指すという言い回しにとどめています。

真の狙いは米中2大覇権国家、世界を2国で牛耳る志向にあると見て間違いないです。

米中首脳が対話を重ねたところで中国の野望に重大な変化が生じるとは思えません。

とてつもない厄介な体制が中国で続くことを日本は覚悟しなければなりません。

日本と中国、どちらが音を上げるのか我慢比べの時代に突入したと言えると思います。

日中戦争の時は毛沢東らの遠大な戦略の罠にまんまとはまり戦争は泥沼化しました。

同じ轍を踏んではいけません。時間軸を長くとり慎重に行動する姿勢が基本です。

アメリカのお先棒を担いで中国と軍事衝突を起こすことは断じて避ける必要があります。

中国との対立は決定的になりアメリカ依存が深まるだけだからです。

中国に対抗するには大義名分が不可欠です。人権や自由や民主主義は盾であり矛です。

お題目だからと軽視するのは愚かです。大義を背負って面子の国中国と渡り合うべきです。

世界の理想に背を向けて強権的な独裁体制を堅持していることは中国のアキレスけんです。

外交力で中国の弱点をつつき時間を稼ぐことが日本の戦術だと思います。

17日日中首脳会談を3年ぶりに開くと発表されました。岸田総理最初の試金石です。