真の「美しい日本」づくりに向けて

地域力や国力を示すのは経済力や軍事力だけではありません。美しさも指標です。

北条早雲が関東支配の拠点とし5代にわたり栄えた小田原についての記述があります。

小田原を訪れた京都・南禅寺の高僧が「道には、ごみひとつない」と驚いたというのです。

街並みが美しくごみが散らかってないことが善政が敷かれているかの基準です。

北条氏康は神社の鳥居脇に雑草が生えていることをとがめたと言われます。

シンガポールを世界最高水準の都市国家に発展させたリー・クアンユー元首相のようです。

強力な指導力で街並みを美しく保つことが国づくりの基本としました。

しかし強権で人々の行動を制御することには厳しい罰則が伴います。

人々の自発的意思と自助努力でそれぞれの地域を美しく保つことが最善です。

江戸時代、江戸周辺の農村は想像以上に美しく整えられていたようです。

幕末維新期に訪れた外国人の記録を丹念に集めた『逝きし世の面影』に書かれてます。

ヨーロッパの大都市近郊のイメージと全く異なる自然と調和した景観に外国人が驚いてます。

日本人の生活の場を小ぎれいにする習慣は日本人の文化遺伝子となっていると思いたいです。

カタールで開催中のサッカー・ワールドカップでの日本人の行動が話題を集めています。

日本チームのロッカールームは使用後きれいに掃除がされていました。

日本人サポーターたちは試合が終わった後スタンドのごみを片付けています。

日本人のマナーのすばらしさに胸を張りたくなります。立派な振る舞いです。

メジャーリーグの大谷翔平選手がさりげなくグランドのごみを拾う姿を思い出しました。

みな強制されてやっている訳ではありません。自然の振る舞いです。

こうした姿を見た外国人は日本という国の国力を強く感じとるはずです。

経済力や軍事力とは全く別物のソフトパワーです。威力は引けを取りません。

経済力や軍事力をどれだけ持っていても世界から尊敬を集めることはありません。

人々が当たり前のようにごみを拾い美しく保つ行動の方がはるかに尊敬を集めます。

日本の指導者たちは日本人が持つ徳性にもっと目を向ける必要があります。

安倍元総理は「美しい国」を標榜し日本人として誇れる国づくりを掲げました。

日本代表チームの選手やサポーターの行動こそ「美しい国」づくりの基本ではないでしょうか。

もちろん大谷選手もです。プレーだけでなく立ち振る舞いが尊敬の原動力となってます。

彼らの一連の行動は人口減少で衰退が叫ばれる日本が進むべき道を垣間見せてくれます。

日本人の持つ特性を磨くことで尊敬を集める地域づくり、国づくりにつなげる道です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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