神奈川県大井町長選展望

タウン紙に今月11日投開票の大井町町長選挙候補者の意見広告が掲載されてました。

小田眞一町長の文学作品のような美しい文章に目を見張りました。

「まちづくりはオーケストラのようです。楽器はどれも違った音色を持っています。それは個性輝く町民一人ひとりとよく似ています。(中略)心豊かな大井町サウンドを共に創り上げるため、耳を澄まして皆様の声を聴き、堅実な一歩を未来につないでまいります。」

小田町長は音楽好きなのでしょう。思いを音楽になぞらえました。

「創る」「聴く」と記しているところから一字一句、入念に検討した形跡が伺われます。

町長として言いたい趣旨は「住民の声を聴く」政治姿勢を堅持することです。

個別政策は、子育て、安心安全、地球環境など6項目に分かれていました。

具体性に乏しいのが気がかりです。いつまでに何をするのか定かではありません。

太宰治のような美文の総論に引きずられたかのように政策も抽象的な印象です。

対抗馬の鈴木武夫町議も意見広告を出していました。スペースは小田町長の半分です。

見出しは「給食費無料や『すぐやる課』が必要」と飛び切り具体的です。

本文の中身は「励ます会」の報告でした。何人参加とかこちらも具体的でした。

鈴木さんも町民の声に耳を傾けることの大切さを訴えていました。

鈴木さんは町民の声を「聞く」となってました。同時にもうひとつ強調してました。

強いリーダーシップです。小田町長に対抗する政治姿勢の中核だと思いました。

具体策を掲げ実行することを対抗軸に戦うということだと思いました。

美しい言葉は要らない、やるかやらないかだという構えだと受け止めました。

政治姿勢としては極めて大切な点ですが何をやるかも重要です。

小田町長も鈴木町議も何を今なすかという点に鮮烈さが欠けています。

美しい文章を連ねるのは政治ではありません。具体策を掲げいつまでに実行するかです。

政策を掲げればよい訳ではなく時代の要請に応え目を見張る内容であることが求められます。

小田町長も鈴木町議も合格点とは行かないと思います。さらなる検討を深めて欲しいです。

前回選挙は三つ巴の戦いを小田町長が制しました。今回は一対一の構図になりました。

前回町長選の2位3位連合ができました。反小田派の結集のかたちは整いました。

しかし4年の時間が過ぎました。前回の選挙当時の熱気が保てているかは微妙です。

小田町長は2期目を目指してます。現職の強みを発揮しやすい有利さがあります。

1期で交代する必要はないとの常識論を盾にできるからです。この壁は結構厚いです。