公共施設運営と官民連携

2日所用があり秦野市文化会館を訪れました。雰囲気が変わったことに気づきました。

会館の案内はデジタルサイネージになってました。催し物のPRチラシも目立ちました。

秦野市出身で世界的な若手指揮者となった山田和樹さんの大きなパネル展示もありました。

市民会館での山田さんの活動の記録を辿れるように写真が掲示してありました。

金曜日の午前10時前でしたが利用者がすでに来て準備を始めていました。

秦野市文化会館との呼び名は変わっていてクアーズテック秦野カルチャーセンターです。

秦野市に生産拠点を持つクアーズテック株式会社が命名権を秦野市から取得しました。

経営の効率化の手段となっているネーミングライツです。今では一般的です。

会館の運営は神奈川県全域を中心にタウン紙を発行しているタウンニュース社が行ってます。

今年度からとのことでしたが半年余りで印象をここまで変化させたのは評価されます。

市の直営時代に比較してどうぞ利用して下さいというおもてなしの姿勢が感じ取れます。

展示物の置き方などのちょっとした変化で雰囲気が変わることを軽く見てはいけません。

行政も民間企業の気配りを検証しサービスの向上に活かす必要があります。

経営が堅調なタウン紙という媒体を持つ企業が運営権を得たことに可能性を感じました。

会館の利用を促すためいつでもタウン紙を活用できるのは強みです。

知恵と工夫次第で秦野市の文化の創造と発信の拠点になり得ると思いました。

民間企業への委託は公共施設の可能性を新たに開くきっかけとなります。

開成町のかやぶき屋根の古民家瀬戸屋敷は格好の事例だと思います。

民間企業が運営するようになっておしゃれな雰囲気が漂うようになりました。

外国人の利用も増えて瀬戸屋敷の格が一段上がったように思います。

ここで注意しなければならないのは行政と民間企業の役割分担です。

行政にありがちな姿勢は民間企業に委託したのだからと丸投げしてしまうことです。

一定の予算を割り当てて任せっきりということではいずれじり貧になります。

効率的運営が目的となってしまいサービスが徐々に低下していくからです。

委託を受けた民間企業が利潤を挙げられるように行政が側面支援することが欠かせません。

公共性に留意しながら利潤をもたらす取り組みはいくらでもあります。

固いところ言えばSDGsの時代を意識した環境系企業の展示フェスタの誘致などです。

音楽や文化イベントの集客についても行政が側面から手助けできる分野は多々あります。

行政と民間企業が補いながら公共施設の利用を活発にすることが本来の官民連携です。

 

 

 

 

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